山菜タケノコの魅力:特徴・収穫のコツ・あく抜きやり方の完全ガイド
春がくると、私たちの食卓を彩る美味しいタケノコの季節がやってきますね。タケノコは日本の春の風物詩とも言える食材ですが、美味しく食べるためにはちょっとしたコツがいります。この記事では、タケノコの魅力や収穫の仕方、うまくあく抜きする方法などをご紹介します。
タケノコ(筍)とは?
タケノコ、または筍(たけのこ)、は竹の若芽の総称です。これはイネ科に属する多年草で、地下茎から春に新芽を出し、これをタケノコと呼び食用にします。ただし、タケノコを食用とするのは主に日本や中国、韓国などの東アジアの一部の国々に限られます。タケノコは一般的に孟宗竹を指しますが、淡竹や真竹など、食用に適する種類は10種類以上存在します。
タケノコの特徴
タケノコは地上に出てくると、若い時点では多くの皮に包まれており、これが野生の動物から保護する役割を果たしています。成長するにつれて、これらの皮は自然に剥がれ、完全に剥がれた状態で竹となります。タケノコは土から頭が出るか出ないかの段階、すなわち、若いうちに収穫し、食用にしなければならない。これは、タケノコが非常に早く成長し、伸び過ぎたものは硬くて食べられなくなるためです。
一般的なタケノコの旬は春から初夏、具体的には3月から6月ですが、地方や竹の種類によって異なります。たとえば、孟宗竹は3~4月、淡竹や真竹は4~6月が旬です。収穫開始時期も地方によって異なり、鹿児島は11月ごろ、四国は12月ごろ、京都は2月中旬ごろとされています。
このように、タケノコは旬の期間が短く、また、成長が早いため、最適なタイミングでの収穫が重要です。
タケノコの基本情報
和名 | たけのこ(筍) |
別名 | 特になし。漢字の表記は「竹の子」「筍」「笋」など複数あります。 |
学名 | Phyllostachys heterocycla f. pubescens |
英名 | Bamboo shoot |
科名 | イネ科タケ亜科 |
属名 | マダケ属 |
原産地 | 中国 |
分布 | 日本では関東地方以南に分布する |
形態 | 多年草 |
旬 | 4月~5月頃 |
タケノコを収穫して食べてみよう
タケノコの栄養素
タケノコは、特にタンパク質が豊富で、ビタミン類は少ないとされています。それでも、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEなどは含まれています。また、カリウムと食物繊維も多く含まれており、これらは健康に多大な利益をもたらします。特に含まれている食物繊維は、不溶性食物繊維であるセルロースで、コマツナやキャベツと同様の量が含まれています。
タケノコの食物繊維は、腸内の老廃物の排出やコレステロールの吸収阻害に効果的です。これにより、タケノコはダイエットや健康維持に役立つとされています。また、含まれるカリウムはナトリウムの排出を助け、高血圧の予防にもなります。カリウムはタケノコを茹でても量があまり減少しないので、様々な料理方法で利用することができます。さらに、亜鉛や銅などのミネラルも比較的豊富に含まれており、これらは身体の機能の正常化や免疫力の強化に寄与します。
タケノコを食べる際は、食べ過ぎに注意することが重要です。タケノコに含まれる不溶性食物繊維は便通に良い影響を与えますが、摂取しすぎると腸を圧迫し、腹痛や便秘を引き起こす可能性があります。また、タケノコに含まれるシュウ酸は、たとえあく抜きをしても完全には除去できず、過剰摂取は結石の原因になり得ます。さらに、シュウ酸は肌荒れやニキビを引き起こし、タケノコから生成されるメラニンはシミやそばかすの原因となります。
また、タケノコに含まれるアセチルコリンは、アレルギー様の症状を引き起こすこともあるため、適量の摂取が大切です。1本丸ごと食べるのは過剰な摂取となり得るため、小鉢に一盛り程度が適量とされています。
タケノコの収穫方法
1. 収穫の適期の確認
タケノコは成長が非常に速いため、収穫の適期を見極めることが重要です。適期は主に春から初夏にかけて。地上部が見え始めた時が収穫の最適なタイミングです。地上部が見え始めてから数日以内に収穫しないと、硬くて食べられなくなってしまいます。
2. 掘り出し作業
タケノコは地下に埋まって成長するので、スコップやクワを使用して掘り出します。まずは、タケノコの周りの土を掘り、根元まで露出させます。その後、根元を切り離してタケノコを掘り出します。
3. 切り取り
タケノコを掘り出したら、すぐに穂先を切り取り、持ち帰ります。穂先を切り取ることで、苦み成分が抜け、食べやすくなります。
タケノコは成長が早いため、一日たらずで大きくなってしまうことがあります。早めに収穫し、若くて柔らかい状態で食べることがおすすめです。また、収穫地が私有地の場合は、事前に許可を得るようにしましょう。
タケノコのアク抜き方法
タケノコのアク抜きは、タケノコ調理の基本中の基本で、手間はかからないが時間は必要です。必ず行いましょう。下記の手順を参考にしてみてください。
- タケノコの皮を3~4枚剥き、下の部分の突起を削り、根元を少し切り落とす。
- 穂先を斜めにカットし、皮に縦に切れ目を入れる。
- タケノコ、ぬか、鷹の爪、ひたひたの水を鍋に入れ、落し蓋をし、30~40分煮る。
- 根元に竹串を刺して、すっと通るくらいまで柔らかくなったら火を止め、冷めるまでそのままにしておく。
- 冷めたら鍋から取り出して皮を剥き、お好みで調理する。
アク抜きのコツは、タケノコをしっかりと冷ますことで、アクが抜け、ゆで汁の旨味がタケノコに戻ります。「大体冷めたかな」と感じてすぐに取り出すと、えぐみが残ってしまうことがありますので、完全に冷めるまで待ちましょう。
アク抜きの際、タケノコが浮いてしまう場合は、落し蓋がないからです。落し蓋がない場合は、ザルを乗せて茹でるという方法があります。
あく抜きには、米ぬかと赤唐辛子が使用されますが、米ぬかがない場合は、洗う前の生米や米のとぎ汁が代用可能です。全体が浮いてくる場合は、ザルなどを使用し、完全に冷めるまで待つのがコツです。
たけのこを切ると、断面に白い粒のようなものが見られます。これは、アミノ酸の一種であるチロシンという成分です。人体に無害な栄養成分のため、そのまま調理しても問題ありません。
タケノコの調理例
タケノコは日本料理において春の代表的な食材の一つとされ、そのシャキシャキとした食感と独特の風味から、様々な料理で楽しまれます。ここでいくつかのタケノコの調理例を紹介します。
1. タケノコの天ぷら
タケノコの天ぷらは春の季節料理の定番です。アク抜きしたタケノコを衣で包み、サクッと揚げます。塩や天つゆで味わうと、タケノコの優しい甘みとシャキシャキとした食感が楽しめます。
2. タケノコと鶏肉の炒め物
タケノコのシャキシャキとした食感と、鶏肉の柔らかさがマッチした一品です。タケノコと鶏肉を醤油ベースのたれで味付けをし、一緒に炒めると、素朴で美味しい料理が完成します。
3. タケノコの味噌汁
タケノコの優しい風味が味噌のコクとよく合う、春にぴったりの温かい一品です。アク抜きをしたタケノコをダシに加え、味噌を溶かして煮れば、風味豊かな味噌汁ができあがります。
4. タケノコの酢漬け
シャキシャキとしたタケノコを爽やかな酢で漬け込むことで、食欲をそそる一品が完成します。おつまみや前菜として、またはご飯のお供としても楽しめます。
5. タケノコのサラダ
タケノコは新鮮なうちにサラダとしても美味しくいただけます。様々な野菜と組み合わせて、お好みのドレッシングをかければ、春らしい爽やかなサラダの完成です。
これらの料理を通じて、タケノコの食感や風味を存分に楽しんで、春の季節を味わってください。
最後に
春になると食べる機会の多いタケノコ。自分で収穫して、少し手間ですがアク抜きをすることでいろいろなタケノコ料理を味わうことが出来ます。ぜひ、挑戦してみてください。