家庭菜園でトマトトーンを使う際の失敗症状とその対処法
トマトトーンは便利なアイテムですが、正しく使わないと野菜作りを失敗することもあります。今回はトマトトーンの一般的な失敗パターンと、それによる症状を詳しく説明し、さらにその対処法を解説していきます。
トマトトーンの一般的な失敗原因
よくある失敗の原因は次の通りです。
- 花に直接かかっていない
- 生育点や幼葉にかけてしまった
- 水で薄める際の濃度を誤った
- 同一の花に重複して使用した
- 使用期限が過ぎたものを使用した
上記のようなミスを犯すと、トマトトーンの効果が現れないだけでなく、植物に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。トマトトーンの使用失敗が引き起こす具体的な問題については、次の章で詳しく解説いたします。
トマトトーン使用失敗による症状
トマトトーンの使用を誤ると、どのような症状が出現するかを示します。ここでは、具体的な失敗例に基づいて、3つの主要な症状を一つずつ解説していきます。
果実が形成されない
トマトトーンが花に適切に散布されていない、濃度が薄すぎる、または使用期限が切れた製品を使用した場合、トマトトーンの効果が発揮されず、果実が形成されないことがあります。トマトトーンを散布してから約3日後には、花が少し膨らみ、果実の形成が確認できるようになります。数日が経過しても果実が形成されず、花が落ちてしまった場合、トマトトーンの散布が失敗している可能性があります。
葉が縮む
トマトトーンを花以外の部位、特に若葉や茎に誤って散布した場合、散布した部分が写真のように変形することがあります。また、トマトトーンの濃度が適正よりも濃すぎると、このような症状が起こりやすくなります。一見、病気に見えるかもしれませんが、特定の葉のみが変形している場合は、トマトトーンの使用失敗が原因と考えられます。
成長が停止する
葉が縮んだ場合でも、成長には大きな影響を及ぼすことは少ないですが、生育点にトマトトーンを散布すると、植物の成長が停止することがあります。上部の葉や茎が全体的に変形し、成長が停止しているように感じた場合、生育点にトマトトーンを散布したことが原因である可能性があります。
トマトトーンの使用失敗時の対処法
もしトマトトーンの使用失敗により上記のような症状が出現した場合でも、心配いりません。次に解説する適切な対処法を用いれば、トマトを再び健康な状態に戻すことが可能です。
着果しない場合は、同じ花に二度かけない
トマトトーンは、花に吹き付けてから3日程度で軽い膨らみが出現し、着果が確認できるようになります。数日経っても実がならなかったとしても、二度目のトマトトーンは散布せず、次に咲く新しい花に散布しましょう。トマトトーンの失敗ではなく、トマトの生理現象により実をつけられなかった可能性もあるため、無理に着果させるのは得策ではありません。
葉や茎が変形した場合は、正常な脇芽を残す
もしトマトトーンが花以外の部位にかかり、葉や茎が変形した場合は、症状が出ていない部分の正常な脇芽を1本残しておきます。トマトトーンの使用失敗により主枝の成長が停止したとしても、正常な脇芽は問題なく成長するからです。主枝の成長が順調に進んでいることが確認できたら、保険のために伸ばしていた脇芽を取り除きましょう。
すぐに切ったり抜いたりせず、様子を見る
トマトトーンの散布失敗があったとしても、必ずしもトマトの成長が止まり、枯れてしまうわけではありません。また、病気とも異なり、他の株に移ることもありません。トマトトーンの使用失敗が原因で異常が見られる株があったとしても、すぐに処分せず、前述した対処法を試しながら様子を見てみましょう。
トマトトーンの失敗を避けるために
ここまでの内容から、できるだけトマトトーンの使用失敗を避けたいと思うでしょう。当たり前のことかもしれませんが、トマトトーンの散布で失敗しないための方法は、正しい使用法を遵守することです。失敗してしまう方は、正しい使用法を知らなかったり、自己流の方法を採用していたりする場合が多いのです。トマトトーンは確かな効果を持つ製品なので、正しい使用法を守れば、トマトに悪影響を与える失敗は避けられるでしょう。
トマトトーンを使わず人工授粉もあり
トマトトーンの使用失敗を懸念し、できれば避けたいと思っている方は、人工授粉により着果を促す方法をお勧めします。トマトが実をつけるための受粉を手助けするだけなので、トマトトーンのような失敗時のリスクはありません。二つの人口受粉の手順を紹介します。
指で花を弾き、花粉を飛ばす
最初の方法は、一房の花が3花以上咲いたタイミングで、指で花を弾き、花粉を散布する方法です。指で花を弾くと、よく見ると微粒子が飛んでいくのが観察できます。これが花粉です。見るのが難しいかもしれませんが、花粉が出ているかどうかを確認しながら進めてみましょう。トマトの生育状態によっては花粉が出にくいこともあるため、花粉が出ているかどうかの確認は重要です。
筆で花をなぞる
二つ目の方法は、書道用の筆で花の中心をなぞる手法です。指で弾く方法は、一房を一回揺らすことで花粉が出て、その房の全ての花が受粉するのに対し、筆を使う方法は一輪一輪丁寧に処理する必要があります。花の中心を円を描くようにゆっくりと筆でなぞると、筆に付着した花粉が花のめしべに移るでしょう。一輪ずつ丁寧に行うため時間はかかりますが、家庭菜園のように数株だけを栽培する場合は、指で弾くよりも確実に受粉を促すことができます。
最後に
当たり前のことかもしれませんが、トマトトーンの散布で失敗しないための方法は、正しい使用法を遵守することです。失敗してしまう方は、正しい使用法を知らなかったり、自己流の方法を採用していたりする場合が多いのです。トマトトーンは確かな効果を持つ製品なので、正しい使用法を守れば、トマトに悪影響を与える失敗は避けられるでしょう。