イヌがつく植物の名前の秘密: その意味と背景を深堀り!【イヌが付く植物5選を特集】
日本の植物の中で「イヌ」という言葉が名前に含まれるものが数多く存在することをご存知でしょうか?「イヌノフグリ」や「イヌタデ」など、なぜ多くの植物に「イヌ」という名前がついているのか、その背後に隠された秘密や意味について深堀りしてみたいと思います。さらに、特集として「イヌが付く植物5選」もご紹介します。
植物の名前に含まれる「イヌ」について
植物の名前に「イヌ」という言葉が付くと、ふと、「なぜイヌ?」と疑問に思ったことはありませんか? これは実は日本の植物命名の伝統的な習慣に基づいており、その背後には興味深いストーリーが隠されています。
「イヌ」とはどういう意味?
「イヌ」という接頭語が植物の名前に使われる場合、その植物が一般的である、見た目や利用価値が他の類似の植物に比べて劣るといった意味合いで使用されることが多いです。しかし、この「イヌ」自体には特定の植物学的な意味は存在しません。
前述の通り、「イヌ」が付く植物の名前は、他の類似の植物と比較した際に劣るという意味合いで使用されることが多いです。この「劣る」という意味は、一般的には食べられないことを意味します。ですので、「イヌ」が名前についている植物に遭遇した際は、食べられない可能性が高いと認識しておくと良いでしょう。
※大半は食べられない傾向にありますが、一部食べることができる植物も中には含まれますので注意が必要です。
「イヌ」の由来とは?
では、なぜ「イヌ」が「劣る」という意味を持つのでしょうか。実はこれにははっきりとした答えは存在しないとされていますが、一説には、犬(イヌ)が家畜の中で最も身近で、人々の日常生活の中でよく見かける存在であることから、一般的なものや普及しているものを指す際の比喩として「イヌ」という言葉が使われるようになったと言われています。
「イヌ」の名前が付く植物
イヌワラビ
特徴
イヌワラビは落葉性の草本で、根茎からの葉は25-40 cmの長さと15-25 cmの幅を持つ羽状の形状をしています。各葉は6-10対で、4-9 cmの長さと2-3 cmの幅があり、明るい緑色です。茎は暗い赤茶色で、羽片の下面には胞子嚢があります。
イヌワラビ – Wikipedia
イヌノフグリ
特徴
イヌノフグリの名前は、果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることから来ています。江戸時代の資料にも記載があります。3-5月に淡ピンク色で3-5mmの花を咲かせ、花弁には紅紫色の線があり、4つに深く裂けます。中央には2本の雄蕊が立っています。
イヌノフグリ – Wikipedia
イヌタデ
イヌタデは、ヤナギタデと比較して葉に辛味がないためこの名がつけられました。赤い小さな花や果実が赤飯に似ていることから、アカノマンマとも呼ばれます。茎は基部で横に這い、20-40cmの高さにまっすぐか斜めに伸び、多くの枝分かれをして小集団を作ります。茎自体は紅紫色を帯びた円柱形で、柔らかく滑らかです。
イヌタデ – Wikipedia
イヌビワ
イヌビワの名前は、果実(実際にはイチジク状果の偽果)がビワに似ているものの、味がビワより劣るためつけられました。イチジクが日本に入ってくる前、この植物は「イチジク」と呼ばれていた。イヌビワは最大で高さ5mの落葉広葉樹で、樹皮を傷つけると乳白色の樹液が出ます。
イヌビワ – Wikipedia
イヌサフラン
イヌサフランはヨーロッパ中南部と北アフリカ原産のイヌサフラン科の植物で、以前はユリ科に分類されていました。秋に花が咲くため「秋のクロッカス」とも称されますが、名前や見た目がサフランに似ているものの、アヤメ科のサフランとは別種です。イヌサフランの球茎や種子には猛毒のコルヒチンが含まれ、この物質は痛風薬として認可・販売されており、専門家の処方が必要です。
イヌサフラン – Wikipedia
「イヌ」以外の動物の名前が付いた植物
実は、「イヌ」以外にも様々な動物の名前が付いた植物が存在します。今回は、一部をご紹介します。
- ネコノメソウ(猫の目草):ラン科の植物で、花の形が猫の目に似ているとされています。
- ウマノスズクサ(馬の鈴草):小さい白い花を咲かせる植物で、その葉が馬の鈴に似ているという説があります。
- ウシノケグサ(牛の毛草):毛のような細かい葉を持つ草。
- トリノフンドシ(鳥の褌):その実が鳥の褌のように見えることから名付けられた。
- タヌキモ:葉の形や模様がタヌキに似ていることから。
- ネコジャラシ(猫じゃらし):イネ科の植物で、猫がその穂をじゃらすのが好きであるため。
- ウマゴヤシ:その形が馬の尾に似ていることから。
これらの名前の由来は、見た目や動物の好み、形など様々な理由で名づけられたものです。動物と植物の関わりや、名前の背後にあるストーリーを探るのは非常に興味深いですね。
最後に
「イヌ」のつく植物たちには、一見すると他の植物に劣るように感じるかもしれませんが、それぞれが持つ個性や魅力、歴史があります。みなさんも、自然の中や園芸店で「イヌ」の名前のつく植物に出会ったときは、その背後に隠された物語を思い浮かべながら、その美しさや特徴を楽しんでみてはいかがでしょうか。