土作り

ぼかし肥料とは?使い方や効果・成分など徹底解説

keisukeduo

作物の健康な成長のためには、良質な肥料が欠かせません。しかし、化学肥料に対する安全性への不安を感じる方も少なくないでしょう。そこで注目されるのが、有機素材をベースにした「ぼかし肥料」です。この文章では、ぼかし肥料の魅力や簡単な作り方を詳しく解説していきます。

ぼかし肥料とは?

ぼかし肥料は、有機質肥料の一種で、野菜や植物の成長をサポートするために土に加えるものです。この肥料は、米ぬかや油かすなどの有機物を主成分としており、これらを混ぜ合わせ、十分に発酵させて作られます。名前の「ぼかし」とは、肥料分を土で薄めることから来ています。

ぼかし肥料の特徴・効果

ぼかし肥料は、米ぬか、油かす、魚かすなどの有機肥料を土と混ぜ合わせて発酵させたもので、その最大の特徴は「発酵済み」であることです。通常の有機肥料と比べて、発酵していない状態の肥料は効き目が出るまでに時間がかかるのに対し、ぼかし肥料は発酵済みであるため、迅速に効果を発揮します。さらに、発酵熱やアンモニアガスによる作物の根のダメージのリスクも低減されており、使い過ぎる点を注意すれば、初心者からプロの農家まで、幅広い層に使いやすい肥料として評価されています。

この肥料は、土壌を良好な団粒構造に向かわせる働きも持ち、微生物のエサとしても機能します。そのため、化成肥料を避けたい方や、早く効果を得たい方に特におすすめの肥料と言えるでしょう。

ぼかし肥料の成分

ぼかし肥料の成分は、その原料や配合量によって変動するものであり、一般的には窒素3%、リン酸5%、カリ1%の配合が基準とされています。しかし、使用される原料の種類やその比率によって、成分のバランスが異なることが特徴です。たとえば、「米ぬか」を主な原料として使用すると、得られるぼかし肥料の窒素含有率は低くなる傾向があります。そのため、ぼかし肥料を自家製作する際は、対象の作物が必要とする栄養素をバランス良く配合することが推奨されています。

ぼかし肥料のメリット

ぼかし肥料の一つの大きなメリットは、自らが肥料の成分調整を自由に行える点です。これにより、特定の作物のニーズに応じて最適な肥料を作成することが可能となります。例として、葉菜類のキャベツなどが多くの窒素を要求するため、窒素分が豊富な油かすを主成分としたぼかし肥料を用意することができます。同様に、トマトやナスなどの根菜類がリン酸を多く必要とする場合は、リン酸を多く含む骨粉をベースとしたぼかし肥料を作成することが推奨されています。

さらに、ぼかし肥料のもう一つのメリットとして、肥料の効果が長期間にわたり続く点が挙げられます。これは、ぼかし肥料が長効果の有機肥料をベースとして製造されるため、効果の持続性が高いことが特徴的であるためです。

ぼかし肥料の使用例

元肥として使用

ぼかし肥料は、植え付け時に元肥として適切に使用することができます。特に、植え付け時に必要な肥料量の半分だけ施用することが推奨されています。しかし、ぼかし肥料の即効性と窒素成分の豊富さから、初心者は植え付け時の使用を避けることも考慮すると良いでしょう。窒素が過多になると、茎や葉が過度に茂り、実がなりにくくなる可能性があるため、注意が必要です。完熟したぼかし肥料は、施用後すぐに植え付けができるため、緊急の植え付けにも対応できます。ただし、過剰な施用は避け、化成肥料の規定量の半分程度を目安にしてください。また、施用後の土への混ぜ込みは浅く、特に根の近くでの過剰な施用は避けるよう心がけることが大切です。

追肥として使用

追肥としてもぼかし肥料は非常に効果的です。土の上部に少量を撒くだけで、作物が必要とする栄養を十分に供給することができます。ぼかし肥料の特性として、散布後の数日中にはすぐに肥料の効果が現れ、約2週間で大部分の窒素が放出されるという特徴があります。この放出される窒素は、作物にとって直ちに吸収可能な状態で提供されるため、効果的な栄養供給が期待できます。しかしこの即効性から、元肥と同じように過剰な施用は避ける必要があります。作物に直接触れないよう注意しつつ、土の表面に軽く撒く方法が最も効果的です。

ABOUT ME
ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
記事URLをコピーしました