家庭菜園

コンポスト利用の前に知っておくべき種類、メリット、デメリット解説ガイド

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コンポストとは

コンポストは、家庭の生ごみや落ち葉、紙などの有機物を微生物の働きを利用して発酵・分解し、堆肥を作る活動やその成果物を指します。これは、昔からの日本の伝統的な知恵の一部です。一方、「コンポスター」とは堆肥を作るための容器や装置を指します。自然界における落ち葉から土ができるプロセスと同じ方法で、微生物の力によって堆肥が作られ、その速度は自然よりも早くなることが特徴です。この堆肥は植物の肥料として使われるだけでなく、土壌の改良材としても利用されます。近年、家庭ごとにコンポスト容器を設置し、生ゴミの焼却を避ける取り組みが行われている。

コンポストのメリット

様々なシーンでメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

経済的・実用的な利点

  • 生ゴミの廃棄やゴミ袋の購入の手間が削減。
  • 室内での悪臭の心配が減少。
  • ゴミ処理にかかる税金が減少。

家庭菜園の活用

  • 自家製の化学物質の入っていない堆肥が得られる。
  • それにより、安全に家庭菜園の作物を食べられる。
  • 市販の肥料代も節約できる。

環境保護

  • 焼却ゴミの量が減り、二酸化炭素の排出量が減少。
  • 年間754万トンの食品廃棄物が減少し、二酸化炭素の排出を抑えることができる。

地域・地球への利点

  • ゴミの焼却処分や二酸化炭素の排出量が削減。
  • 堆肥を学校や農家といった地域に還元することが可能。

土壌の改善

  • コンポスト堆肥は土壌を改善し、植物が健康に育つ助けとなる。
  • 化学肥料の使用に比べ、土壌の微生物を保護し、植物の成長をサポート。

食の循環

  • コンポストで作った堆肥を使用して野菜を育て、その野菜の残りを再びコンポストにするというサイクルが形成される。

以上、コンポストは家庭や環境全体に多くのメリットがあります。

コンポストのデメリット

コンポストを使用する際、いくつかのデメリットを理解しておくことが重要です。

堆肥になるまでの手間と時間

堆肥を作成する過程は数時間から4ヶ月ほどと、かなりの時間を要します。この期間中、内容物を定期的にかき混ぜる手間も発生するため、それに対応できるかどうかを事前に考慮する必要があります。

分解できない材料の制限

コンポストは微生物の働きにより材料を分解するため、タケノコの皮やクリの皮のように分解しにくい材料は適していません。これらの材料の使用前には、適用性をしっかりと確認することが大切です。

虫や悪臭の発生

生ゴミや水分を過多に投入すると、虫や悪臭が発生しやすくなります。特に悪臭の問題は、中身を定期的にかき混ぜることで改善することが期待できます。

特定のコンポストの手間

一部のコンポストは、生ゴミを細かく切るなどの追加の手間が発生することもあるので、その点も選択の際に考慮すべきです。硬い野菜の芯や生米、果物の種のように、分解に時間がかかるものは避けるのが無難とされています

コンポストの種類

設置型コンポスト

設置型コンポストは、生ゴミの分解を土の中の微生物の力で行うシステムです。具体的には、コンポスト容器を地面に埋め込んで使用し、大量の生ゴミや庭の落ち葉、雑草などを処理するのに適しています。農家でも導入されているこのタイプのコンポストは、微生物が直接分解作業を担当するため、生ゴミを頻繁にかき混ぜる作業が不要となっています。具体的な使い方としては、庭の土を掘ってコンポスターを部分的に埋め込み、その上にフタをする形で設置します。容器がいっぱいになると、2~3ヶ月間熟成させるだけで堆肥が完成します。

回転式コンポスト

回転式コンポストは、容器自体を回転させることで、生ゴミや落ち葉の中に効率よく酸素を供給し、堆肥化を促進するタイプのコンポストです。容器を回転させるだけで中の物がきちんと混ざり、均一に酸素が行き渡るため、手動でかき混ぜる必要がありません。この方式の利点は、場所を選ばず設置可能であることです。ただし、取っ手などの部品が壊れやすいため、取り扱いには注意が必要です。

密閉型コンポスト

密閉型コンポストは、生ごみと特定の発酵促進剤(米ぬか、EM生ごみ発酵促進剤など)を使用して、密閉した容器内でゴミを発酵させる方式です。微生物による分解期間は約2週間で、その後、1カ月程度の熟成期間が必要です。このコンポストの特徴は、生ごみの発酵中に液体の肥料が容器の下から生成される点で、この液体は薄めて肥料として使用できます。また、手動でのかき混ぜは不要です。しかし、この方法では強い発酵臭が発生することがあり、特に集合住宅での使用には注意が必要です。

ダンボールコンポスト

ダンボールコンポストは、資材を入れたダンボールに生ごみを投入し、定期的にかき混ぜることで堆肥化を促進する方法です。このコンポスターはコストが低く、作成が簡単である一方、2~6か月ごとにダンボールの交換が必要です。段ボールの通気性、保水性、保温性を活かして微生物を繁殖させるのが特徴ですが、耐久性が低く、頻繁にかき混ぜる必要があるのがデメリットとなります。

LFCコンポスト(バッグ型)

LFCコンポスト(バッグ型)は、専用のおしゃれなバッグに基材と生ごみを入れ、かき混ぜるだけのシンプルな方法です。このバッグは虫の侵入を防ぐ特別なファスナーがあり、悪臭を抑える特別な配合基材が使用されています。デザインはスタイリッシュで、広く開くバッグ口が使いやすさを追求しています。そのコンパクトさから、都会のベランダでの利用に最適です。

電動生ゴミ処理機

電動生ゴミ処理機は、電気を利用して生ゴミを自動で処理する装置です。温風を使って生ゴミを乾燥させたり、自動で回転させたりするタイプがあります。室内に設置が可能で、処理時間は数時間と短いのが特徴です。しかし、高価な本体や電気代、稼働時の音が問題点として挙げられます。

ミミズコンポスト

ミミズコンポストは、ミミズを使用して生ごみを分解するシステムです。具体的には、ミミズと資材を入れた容器に生ごみを投入することで、ミミズが生ごみを食べ、その後微生物が更に分解を助けます。この方法での分解には3~4カ月かかりますが、結果として得られる堆肥は植物が吸収しやすい栄養分を豊富に含むものとなります。ただし、ミミズには好き嫌いがあるため、柑橘系などの特定の生ごみは避ける必要があります。

コンポストで作った堆肥の活用方法

コンポストで作られた堆肥の使用方法は、容器や装置によって異なるため、使用前に説明をきちんと確認する必要があります。この堆肥は、プランターや庭、家庭菜園といった場所での使用が適していますが、その際、堆肥のみを使用すると栄養が過多になる恐れがあるため、必ず土と混合して使用しましょう。自家製の堆肥は植物にとって豊富な栄養源となり、土の質を向上させる効果があります。特に、無農薬で育てた野菜は堆肥の恩恵を受け、全体が安全に食べられます。堆肥を作る行為自体が、自然や季節との関わりを深め、より心豊かな生活をサポートしてくれるでしょう。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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