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接ぎ木苗とは?病気に強い理由とそのメリット・デメリットを徹底解説

keisukeduo

近年、接ぎ木苗という名前をよく見聞きするようになったけれど、具体的にはどんな苗なのか気になっていませんか?それに、なぜそんなに注目されているのでしょうか。本記事では、接ぎ木苗の特長や、病気に対するその強さ、さらにはメリット・デメリットについて深掘りしていきますよ。

接ぎ木苗とは?

接ぎ木苗は特定の技術を用いて作られる苗木で、2つの異なる品種を組み合わせるものです。具体的には、実や花がなる部分を「穂木」と呼び、この部分の茎を切断します。一方、根を提供する部分は「台木」と呼ばれ、これの根を残し上部を切断します。その後、穂木と台木をつなぎ合わせて1つの苗を完成させます。この技術は、種から直接育てる方法とは異なり、特定の目的で2つの品種の良い特性を組み合わせることを目的としています。

接ぎ木苗は病気に強い

接ぎ木苗が病気に強い理由は、特定の「台木」を使用することによるものです。台木は通常、生育旺盛で病気に強い品種から選ばれます。例えば、特定の野菜が土壌の病害に弱い場合、その野菜を穂木として使用し、土壌病害に強い品種を台木として選ぶことで、味が良く、かつ病気に強い新しい接ぎ木苗を作ることができます。これにより、病害によるリスクを大幅に減少させることが可能となり、安定した収穫を期待することができます。

どんな植物に利用されている?

接ぎ木苗は様々な植物において利用されています。以下は主なものをリストアップしています。

野菜

トマトナスピーマンキュウリ、メロン、スイカなど

果樹や花もの

リンゴ、ナシ、ブドウ、ウメ、サクラ、バラ、ハナミズキ、サボテンなど

接ぎ木苗のメリット

1.連作障害に強い

接ぎ木苗は、病害に強い根を繋げていることから、毎年同じ場所で同じ種類の作物を植えても生育障害が起きにくい。これは、連作障害の主要な要因である土壌の病害虫や養分バランスの崩れを克服できるためです。

2.病害虫に強い

接ぎ木苗は、土壌病害に強い根を持っているため、病気に強い。このため、病害虫の被害が減り、農薬の使用量も削減できる。その結果、収穫量が増える可能性もあります。

3.環境ストレスに強い

環境ストレスとしての高温、低温、乾燥、日射などに、接ぎ木苗は比較的強い。これは、特定の台木を選択することで、環境変動に対する適応力が高まるためです。特に、春先の昼夜の温度差が大きい時期などに、そのメリットを感じることができる。

4.収穫期間が長い & 収穫量が増える

接ぎ木苗の根の張りが強いため、特定の野菜(キュウリ、ナス、ピーマンなど)の収穫期間が長くなる。この強い根が連作障害や病害虫から植物を守ることで、収穫量も増加する可能性がある。ただし、収穫期間が伸びると養分が不足しがちなので、適時の追肥が必要です。

以上のように、接ぎ木苗は多岐にわたるメリットを持ち、耕作の効率や生産量の向上、病害対策などの点で非常に有利な選択となります。

接ぎ木苗のデメリット

1.技術が必要

接ぎ木を自分で行うには技術や経験が必要となります。接ぎ木苗を作る過程、例えば苗の切断の仕方や接ぎ方、接いだ後の管理など、経験がないと難しい部分が多いです。熟練者でも100%の成功は難しいとされています。

2.価格が高い

接ぎ木苗は通常の苗よりも約2倍の価格がかかるとされています。これは接ぎ木苗が一つずつ人の手で作られるため、製造コストが高まるからです。

3.手入れの要求

接ぎ木苗は台木と穂木から成るため、脇芽が出やすくなることがある。脇芽は放置すると実が成るまで成長するため、栄養分を取られないように適切な手入れが必要となります。これは通常の苗よりも重要な管理ポイントとなる。

このように接ぎ木苗には多くのデメリットがありますが、それを上回るメリットも十分に存在します。特に病害虫や環境ストレスに強いという点は、接ぎ木苗の大きな強みと言えるでしょう。

接ぎ木苗の購入ポイント

1. 接いだ部分の確認

まず、接ぎ木苗は異なる野菜同士を接ぐため、接いだ部分がしっかり固定されているかどうかをチェックすることが重要です。固定が甘い、または穂木が元気がない場合、接ぎ木の失敗の兆候として捉えることができます。

2. 茎と発色

さらに、健康な接ぎ木苗は、茎が太く、葉の発色も良いのが特徴です。葉が密集していれば、光合成もしっかり行われていることの証拠です。一方、葉が黄色くなっている、または茎が細いと、その苗は健康ではない可能性が高いので、選ばない方が良いでしょう。

3. 根の健康

そして、苗の健康を判断する際には、根の状態も重要です。根がしっかりと張っていれば、その後の成長や収穫においても良好な結果が期待できます。

4. 虫の有無

最後に、虫の有無もチェックポイントとして挙げられます。接ぎ木苗は病害虫に強いとされていますが、すでに虫がついている苗は、苗が弱っている可能性があるため、避けるのが賢明です。

最後に

家庭菜園で安定した栽培をしたい場合は、病気に強い品種を選んだり、今回ご紹介した接ぎ木苗での栽培がオススメです。普通の苗よりは金額は高いですが、値段以上のメリットがありますので、ぜひ挑戦してみてください。

ABOUT ME
ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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