野菜の育て方

初心者必見!ミントの育て方と収穫・病害虫対策も!

ミント1
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爽快で清涼な香りが広がるミントは、庭やプランターでの栽培が初心者にもおすすめのハーブです。このミントは、お料理やティー、アロマテラピーと多岐にわたって利用できる素晴らしい植物です。はじめてでも簡単に栽培でき、手軽に新鮮な葉を収穫できます。アップルミントやパイナップルミントなど、様々な種類があり、それぞれに独特で魅力的な香りが楽しめます。この記事では、ミントの基本的な育て方や、豊かに育てるためのポイントを詳しく解説します。どうぞ、この機会にミントの栽培を始めて、その豊かな香りと味を楽しんでください。

ミントとは?

ミントはシソ科ハッカ属に属し、「薄荷(はっか)」とも呼ばれる多年草で、特に地中海沿岸が原産地です。清涼感のあるすっきりとした香りが特徴で、世界中に多くの品種が分布し、栽培されてきました。ミントの草丈は種類により大きく異なり、一般的には30~50cmほどで、植えつけから約30日で収穫できます。ギリシア神話にも登場し、「世界最古の薬」とも言われるミントは、料理の彩りや香り付け、防腐・殺菌、香水、入浴剤など、多岐にわたる用途があります。

ミントの特徴

ミントは日当たりが良く、排水性のある土壌を好む植物です。耐寒性、耐暑性に優れており、真冬以外は1年を通じて栽培、収穫が可能です。特に多年草のミントは、春に新芽が出て翌年も楽しむことができます。また、ランナーと呼ばれる匍匐枝を伸ばし、地下茎でどんどん増えていく特性があり、増えすぎに注意が必要です。ミントの葉はギザギザが特徴で、触ると爽やかな香りがします。メントール成分を含むこの香りは、風邪の症状緩和や防虫効果もあり、ハーブティーや歯磨き粉、食品の香り付けにも利用されています。

ミントの花言葉

ミントの花言葉には「効能」「美徳」があります。「効能」はミントの薬草・ハーブとしての効果から由来しています。ミントは、口臭予防や殺菌作用に加え、胃腸の働きを良くし、病気を予防する効能が期待されており、古くからハーブティーなどで用いられてきました。「美徳」は、ミントが人間の周囲を美しく保つその効能から命名された花言葉です。

また、ミントの種類によっても、花言葉は異なります。ペパーミントは「心の暖かさ」、スペアミントは「感情の暖かさ」とそれぞれの特性を表現する花言葉が与えられています。

ミントの基礎情報

ミントについて、こちらを参考にしてみてください。

栽培の難易度★1(ミントは生命力が強く、初心者でも簡単に育てることができます。)
科名シソ科
原産地地中海沿岸
草丈20cm~120cm(種類による)
連作障害なし。ミントは強健な植物で、連作障害の心配はありません。
適した栽培環境よく排水され、日当たりの良い場所。
日当たり日当たりが良い場所が最適ですが、半日ほど日光が当たる場所でも育てることができます。
土壌酸度pH 6.0〜7.0(酸性から中性)
株間30cm~45cm
畝幅40cm~60cm
畝高10cm~15cm
発芽適温15°C~21°C
生育適温18°C~27°C
種まき時期春(4月 – 5月)、または秋(9月 – 10月)
発芽日数7日~14日
苗植え付け時期種まきから約2週間~3週間後。
収穫時期植え付けから約30日後から収穫可能で、真冬以外は1年を通じて収穫できます。
コンパニオンプランツに
向いている野菜
キャベツ、トマト、ピーマンなど。ミントの強い香りが、これらの野菜の害虫を遠ざけます。

ミントの種類

ミント2

ミントは世界中で見られ、その種類は豊富です。かつては600種類以上も存在しましたが、現在ではおおよそ40種類にまとめられています。ミントには、飲食用から薬用、観賞用まで様々な利用法があります。ここでは、その中から数種類のミントについて紹介します。

  1. ペパーミント
    • よく知られており、清涼感のあるメントールの香りが特徴。ガムやお菓子、ミントティーに使われます。
  2. スペアミント
    • ペパーミントに比べ香りが柔らかく、初心者でも育てやすい。料理の香り付けに適しています。
  3. アップルミント
    • りんごのような甘い香りが特徴で、肉料理や魚料理、ソースの香り付けなどにおすすめ。
  4. パイナップルミント
    • 斑入りの葉っぱとパイナップルのような香りが特徴。魚料理やデザートに適しています。
  5. ジンジャーミント
    • ショウガを思わせる強めの香り。草丈が高く、60cmほどまで伸びます。
  6. オーデコロンミント(オレンジミント)
    • 柑橘系の香りが特徴で、香水の原料としても使用されます。
  7. カーリーミント、スイスミント、ブラックミント、イングリッシュミント
    • それぞれ異なる香りや特徴を持ち、様々な用途で使用されます。
  8. レモンミント、チョコレートミント、バナナミント
    • 名前の通り、それぞれレモン、チョコレート、バナナの香りがします。

各種のミントはそれぞれ特有の香りや特徴を持っており、用途によって選んで育てることができます。これらのミントを知り、お好みや用途に合わせて栽培してみてください。

栽培のポイント

  • 発芽適温:ミントの種が発芽する最適な温度は15℃~21℃です。この温度範囲を保つことで、種まきから約7~14日で健やかな芽が出てきます。
  • 生育適温:ミントは18℃~27℃が最も理想的な生育温度となります。寒暑の両方に対して強いですが、真冬の霜には注意が必要です。乾燥にも比較的強いですが、土壌が乾きすぎないように適切な水やりが重要です。
  • 栽培期間:種を蒔いてから収穫まで、概ね30日程度となります。しかし、ミントは真冬以外は1年を通じて収穫可能で、栽培が非常に容易です。春や秋に植えるのが最も適しており、定期的に収穫を行うことで、新しい葉が次々と生長します。

栽培手順

1.ミントの栽培環境

ミントの栽培においては、日当たりと風通しが重要ですが、ベランダ栽培も十分可能です。ただし、ベランダでの栽培の際は、コンクリート直置きを避け、背丈のある土台の上に置くと良いでしょう。暑さには耐性がありますが、過度の暑さは避けた方が無難です。また、直射日光が長時間続くと葉焼けの危険があるため、半日陰を選ぶと良いでしょう。

ミントは生命力が強く、少しの日陰でも生育します。しかし、ミントは地下茎を伸ばしてどんどん横に増える特質があるため、地植えの場合は他の植物の生育スペースへ広がりすぎないよう、最初から植える場所をしっかりと設定する必要があります。一度広がったミントを除去するのは困難なので、囲いを作って植えるなど、制御策を施すとよいでしょう。

2.土作り

ミントは極めて強健な植物で、特別な土の配慮は必要ありません。基本的には、市販されているハーブ専用の土や野菜栽培用の土が利用可能です。しかし、ミントはやや湿気を好むため、過度に水はけの良い土は避けるべきです。

鉢植えの際には、赤玉土に腐葉土やバーミキュライトを混ぜて用意しましょう。これにより、土壌が適度な湿り気を保ち、ミントの成長が助けられます。市販の草花用培養土やハーブ用の土も選択肢として良いでしょう。

地植えをする場合も同様に、腐葉土を混ぜ込むと良いです。これにより、土の質が向上し、ミントの生育に適した環境が整います。

土作りについて詳しい記事はこちら

3-1.種まき

ミントの種まきは、直まきとポットまきが可能で、発芽させるのは難しくありません。ただし、発芽適温外での種まきの場合は、温度管理をしながらポットで育苗する方が確実です。ミントの種まきに適した時期は3月~6月または9月~10月です。

種まきを始めるには、まず、育苗ポットや広めの鉢に種まき用の土を入れ、水を含ませます。ミントの種は非常に小さいので、種が重ならないようにし、その上から薄く土をかぶせます。種まきした直後の水やりは、種が流れないように霧吹きで行います。

ミントの種は、種まきから約10~15日で発芽し、葉が4~5枚になると、別のポットや好きな場所に植え替えができます。間引きは、本葉が1~2枚になった頃と2~3枚になった頃に行い、元気な苗だけを残します。ミントの株の間隔は30cm以上を確保しましょう。この植物の草丈は品種によりますが、最大で1m近くにもなります。

3-2.苗の植え付け

続いて、ミントの苗を植え付け方を紹介します。まず植え付けに適した場所を選びます。鉢やプランター、または仕切りのある地植えスペースが適しています。ミントは横に広がりますので、鉢植えの場合は口が広い鉢を選びましょう。深さも考慮する必要がありますが、口が広いことが重要です。

地植えの場合、ミントの強い成長力により隣の植物に影響を与える可能性がありますので、深さ30cm程度の仕切り(レンガなど)が必要です。植え付けの適した時期は、4月〜7月、または9月〜10月です。この期間に植え付け作業を行うとよいでしょう。

ミントが地下茎を張り巡らせる特性から、苗より一回りまたは二回り大きな鉢に植えることがお勧めです。地植えの場合は風通しの良い場所を選び、株間を20〜30cmあけて植え付けます。これにより、ミントは適切な環境で健康に成長できます。

間引き

間引きは、種まき後、苗が成長する過程で行います。最初の間引きは、本葉が1~2枚になった時に行い、2本立てにします。次に、本葉が2~3枚になった頃に行い、最も健康に見える苗を1本だけ残します。

4.植え替え

ミントの植え替えは、4月〜7月や9月〜10月が適しています。これは、ミントが早く成長し、根も張り巡らせやすい特性を持つためです。特に、鉢植えのミントは、1年〜2年に一度は植え替える必要があります。植え替え時には、少し大きな鉢を選ぶか、株を整理して元の鉢に再度植えるかを選択できます。これ以上増やしたくない場合は、株を整理して同じ鉢に植え替えると良いでしょう。

定期的な植え替えは、特に鉢植えの場合には重要で、約半年ごとに行うと良いでしょう。一方で、地植えのミントには、特に植え替えの必要はありません。植え替えを通じて適切に管理することで、ミントはより健康に育ちます。

5.管理(水やり・間引き・追肥・剪定・切り戻し)

水やり

ミントは乾燥を苦手とする植物で、特に鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える必要があります。地植えのミントには一度根が付けば、特に水やりの必要は少なく、ただし、長期間雨が降らない場合は、土の様子を見て適宜水をあげるようにしましょう。

【水やりのポイント】
  • 植えたばかりの苗は、倒れないように優しく丁寧に水を与えることが大切です。
  • 初期段階で苗が倒れると、成長が遅れる可能性があります。
  • 水の与えすぎは植物を軟弱にし、病害の原因となるため、適量を心掛けることが重要です。
【鉢植えの場合】
  • 真夏の暑い時期は土が乾燥しやすいため、朝と夕の2回に分けて水を与えるとよいでしょう。
  • 水やりは、土の表面が乾いたら行い、水は十分にあげます。
【地植えの場合】
  • 根付いてからは特に水やりの必要はないですが、雨が少ない場合は土の様子を見て水をあげます。

間引き

ミントの苗間の管理には間引きが欠かせません。これは各苗が健全に成長できるように、適切な空間を確保するための重要な作業です。間引きを行う際、残すべき苗の根元を指で軽く押さえつつ、不要な苗を優しく抜き取ります。これにより、抜き取るべきでない苗が抜けず、正確な間引きが可能になります。

しかし、間引き作業が遅れると、隣り合う苗の根が絡まり、抜き取るのが難しくなります。このような場合は、ハサミを使って不要な苗を根元から切り取ってしまいます。間引きは苗同士が絡まないように、できるだけ早めに行い、各苗が十分に栄養と日光を受けられるよう心掛けましょう。

追肥

ミントは強健で生命力に富んだ植物であり、特に地植えの場合、肥料の追加は基本的に不要です。しかし、鉢植えのミントの場合、成長の始まる初春には、少量の肥料が必要になることがあります。この時期に、置き肥や緩効性の化成肥料を元肥として施すと良いでしょう。

また、ミントの切り戻しや剪定、収穫を行った後には、薄めた液体肥料を与えることで、植物の回復と再成長が促されます。それでも、ミントは肥料をあまり必要としないため、過度な肥料の使用は避けるべきです。肥料の過剰な使用はミントが過度に生育し、周囲の植物を圧迫する原因となります。したがって、肥料は極力控えめにし、ミントの生育状態を適宜チェックしながら、必要に応じて微量を与えるようにしましょう。

剪定・切り戻し

ミントの健康的な成長と良い香りを維持するためには、剪定と切り戻しが重要です。ミントは成長が速く、茂りやすいため、定期的な剪定が必要です。特に、ミントは花を咲かせると香りが弱まるため、花が咲く前に茎の3分の1くらいを剪定します。剪定に適した時期は特に定まっていませんが、株が伸びすぎて通気性が悪くなりそうなとき、または病気の予防のためにも、適宜行う必要があります。

加えて、ミントの葉を収穫し、株を健康に保つためには、切り戻しも必要です。切り戻しを行うことで、新しい葉の成長が促され、収穫量も増えます。切り戻しの際には、茎の半分から1/3程度を剪定し、特に茎が伸びやすい梅雨から初夏にかけて注意しながら行うと良いでしょう。これにより、ミントの香りが持続し、健康的な植物を維持できます。

4.収穫

ミントの収穫は春から秋にかけて可能です。この期間、新芽がどんどんと出てきます。特に剪定後は、分岐した部分から新しい芽が生えてくるため、その新芽も利用できます。草丈が20cmから30cmに達したら、収穫の適期です。

収穫の際は、葉の先から10cmから15cmの部分を切り取ります。収穫したミントをすぐに使用しない場合は、束ねて半日陰で風通しのよい場所に逆さ吊りにすると良いでしょう。これにより、ミントの鮮度が保たれ、必要な時に新鮮な状態で使用することができます。

ミントの栽培で注意すべき害虫

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ミントはその特有の爽やかな香りにより、一般的には害虫から安全な植物です。その香りは自然な虫除けとしても機能します。しかし、例外的にアブラムシが付くことがありますので、植物の健康を維持するためにも定期的なチェックが必要です。アブラムシが確認された場合は速やかに駆除してください。

アオムシヨトウムシも、まれにミントに影響を与える害虫です。これらの害虫はミントの葉を食べてしまうため、被害が見つかった場合は、被害に遭った葉を取り除くか、必要に応じて新芽の出ている箇所まで切り戻してください。特にヨトウムシは夜行性であるため、駆除する際には夜間にライトを使用して行うと効果的です。

更に、ハッカハムシもミントの葉を餌にする害虫であり、この害虫の駆除は、手袋を着用し手で捕まえるのが効果的です。

これらの害虫については、定期的に植物の状態を確認し、早期に対処することが重要です。

ミントの栽培で注意すべき病気

ミントは通常は丈夫で病気になりにくいですが、たまに病気になることがあります。そのため、毎日のお手入れの際には、ミントの健康をチェックしましょう。

さび病

ミントは乾燥しやすいので、たくさん水をあげないといけません。しかし、風通しが悪い場所や、剪定を怠ると、葉の裏に茶色い斑点が出て、さび病になる可能性があります。さび病は他の植物にも移る可能性があるので、早めに手を打つ必要があります。病気の部分は取り除き、必要に応じて薬を使いましょう。また、病気がひどい場合は、ミントを全部取り除いてしまう必要があるかもしれません。

さび病を防ぐためには、適切に水をやり、風通しを良くし、定期的に剪定を行うことが重要です。

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ムギ
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兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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