植物の病気

サビ病:農家が直面する静かな危機とその対策

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サビ病は、農作物にとって深刻な問題です。その症状と被害、感染しやすい植物の種類、原因と伝染経路、そして防除と対策方法について詳しく解説していきます。

1.症状と被害

サビ病は主に植物の葉に黄色から赤褐色の斑点を形成します。その症状が進行すると、葉は次第に枯れ、植物全体の生育が抑制され、場合によっては育つのが困難となります。果物や野菜の生産に大きな影響を与え、収量や品質を大幅に低下させます。

2.サビ病にかかりやすい野菜一覧

ネギ、玉ねぎ、人参、ラッキョウ、ニラ、ミズナ、コマツナ、カブ、ニンニク、ラディッシュなど

サビ病は広範囲の野菜や植物に感染します。特に感染しやすい野菜はネギ類です。

3.原因と伝染経路

サビ病は糸状菌(カビ)による伝染性の病気です。胞子が飛んできて、ネギなどの野菜や植物に付着し、感染します。菌の潜伏期間は約10日で、過湿や過乾状態、株自体が弱っているときなどに病気が出やすくなります。

また、サビ菌の胞子は、サビのような褐色の粉状から命名されましたが、実際には黒、褐色、淡黄色、白色など、様々な色を持つことがあります。胞子の発芽適温は9-18℃と低めで、夏の高温期には発生が少なく、秋に涼しくなると病気が次々に広がります。

さらに、サビ病菌には、同じ種類の植物間を伝染するタイプと、異なる植物間を行き交うタイプがあります。例えば、マツとナラの間を行き交うタイプの菌は、マツにはコブ病、ナラには毛さび病を引き起こします。

4.防除・対策方法

サビ病の防除・対策方法は多岐にわたります。まず、発病した葉などは除去して処分しましょう。また、サビ病の菌は酸性を好む一方でアルカリ性が苦手なため、発生が見られた畑に石灰をまくことで菌が広がるのを抑えることができます。

さらに、農薬も使用されます。「ダコニール1000」などが有効で、これは広範囲の病気に防除効果を表す総合殺菌剤です。また、有機農産物栽培(有機JAS)にも使える殺菌剤「カリグリーン」も効果的です。主成分の炭酸水素カリウムにより、散布後、副次的にカリ肥料にもなります。

5.予防法

株が弱ると病気が出やすいので、水はけを良くし、多肥や肥料不足に注意しましょう。特に、ネギのサビ病予防には「干しネギ栽培」が有効です。春に定植した苗を7月に一旦掘り出し、3日間ほど干して植え直すと、根の張りが良くなり、耐病性が高まります。

最後に

サビ病は農作物にとって大きな脅威ですが、適切な知識と対策を持つことで、その影響を大幅に軽減することができます。症状の早期発見と適切な防除・対策が重要です。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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