野菜の種の最適保存法:家庭菜園のための残った種の活用ガイド
家庭菜園を趣味にしている方々の中には、野菜の種から始めて育てる方が多いのではないでしょうか。広々とした自家用の畑があれば、一度に野菜の種を全て使い切ることも容易いと思います。しかし、ベランダでプランター菜園を楽しんでいる方々は、シーズン中にすべての種を使い切るのは困難かもしれません。そうなると、どのようにして来年まで保存すべきか気になりますよね。今回は、そんな方々のために、種の保存・保管方法についてご紹介します。
- 野菜の種は何年くらい保存できるのか知りたい
- 袋入りの種を全部撒き切れずに余ってしまった
- こぼれ種を取ったが、撒くまでの適切な保管方法が知りたい
野菜の種について
まず初めに、野菜の種は生き物です。なので種にも寿命があります。
種の中には何十年経っても発芽能力をもったものもあるそうですが、多くの種は数年程度の寿命のものがほとんどです。
野菜の種には長命種子と呼ばれる長生きするものと短命種子と呼ばれる長生きできないものがあります。
野菜の種の有効期限(寿命)
まずは代表的な野菜の種がどれくらい生きられるのかを見ていきましょう。
野菜名 | 一般的な種子の有効期限(寿命) |
---|---|
ナス | 4年以上 |
トマト | 4年以上 |
唐辛子 | 4年以上 |
スイカ | 4年以上 |
カボチャ | 4年以上 |
キュウリ | 4年以上 |
大根 | 2年~4年 |
キャベツ | 2年~4年 |
白菜 | 2年~4年 |
漬け奈 | 2年~4年 |
レタス | 2年~4年 |
ほうれん草 | 2年~4年 |
ニンジン | 2年~4年 |
ミツバ | 2年~4年 |
ゴボウ | 2年~4年 |
エンドウ | 2年~4年 |
インゲン | 2年~4年 |
ソラマメ | 2年~4年 |
ネギ | 1年~2年 |
玉ねぎ | 1年~2年 |
落花生 | 1年~2年 |
シソ | 1年~2年 |
このように、種には寿命があり、野菜によって寿命は異なります。
市販で売られている野菜の種の袋の裏側に有効期限(寿命)が記載されていますので確認してみてください。
保存・保管方法について
では、どういった条件であれば種の寿命を最大限生かせることができるのか紹介します。
その条件とは「低温」と「低湿度」と「密閉」です。
低温保存
種を保存するときは、5度~10度ぐらいの低温を心掛けてください。
※凍るような温度の場合、種がダメージを受けますので注意。種の内部には数%の水分が内包されています。そのため、凍るような温度では種子内部の水分が凍ってしまい、細胞が破壊される恐れがあります。
保存場所にオススメなのは冷蔵庫の野菜室です。
低湿度保存
種の保管で最も重要なのが湿度が低いことです。
種は直接水が触れることはもちろんですが、空気中の湿気も吸収してしまいます。
そういった水分を種が吸収すると種は発芽しようとします。
しかし、そこで発芽することができないと一気に体力を消耗して発芽する力が衰えてしまいます。すると、次に種を撒いたときに発芽率が著しく悪くなることがあります。
密閉保存
密閉保存する理由として酸素の対策のためです。
先ほどの空気中の湿度も吸収してしまうということから、水分と酸素の条件が揃うことでより発芽が促進されて種が劣化してしまいます。酸素をゼロにすることは難しいので、外気と遮断し酸素の流入を防ぐために密閉保存をしましょう。
これらの理由から、「低温」「低湿度」「密閉」を維持することが種の寿命を最大限に延ばすための重要な条件となります。
種の寿命を縮める原因について
一方で、種の寿命を縮める原因は先ほどの反対で「高温」「高湿度」「開封状態」です。
特に30度を超える温度は、種に内包されている水分が蒸発したり蒸されたりして種が弱まります。
注意:真夏の車の中は「高温」「高湿度」なので、くれぐれも置忘れの無いように!
常温保存ではダメなのか?
では、常温では種が弱るのかというとそうではありません。確かに理想的な保存方法は前述の通り、低温でした。
低温で保存するほど種の寿命は長くなります。
しかし、常温で保管していても低湿度と密閉がされていれば、数年は寿命が持ちます。
実際に、園芸売り場の種コーナーは常温です。
最近の種の袋はアルミの包装資材が使われているなど、しっかりと封がしてあるので低湿度と密閉が維持されています。
なので、常温の条件だけで著しく種が弱るということはありません。
その年に種を使い切るのであれば、常温保存で問題ありません。
プランター栽培など、一度に種を使い切らない場合には、何年間も種を使用可能な状態に保つために低温保存を心掛けましょう。
冷蔵庫で保存する場合の注意点
種をいざ使おうとしたときに、冷蔵庫から出すと、温度差によって結露が起こります。
その結露によって種が濡れてしまうと種が給水して弱ってしまいます。
種まきのシーズン中に種を撒くたびに冷蔵庫から出し入れしていると毎回、濡れてしまうリスクがあり種が弱ってしまう原因になってしまいます。
そのため、シーズン中に使い切れなかった種の保存に限り、結露のリスクを避けるために常温保存がおすすめです。
冷蔵庫で保管した場合の注意点
前述の通り、結露が起こるので、冷蔵庫から出したら結露が落ち着くまで種の袋は開封しないようにしましょう。これで種が濡れるリスクを抑えることが出来ます。
袋の密閉の仕方
種の袋には、「アルミ包材」「プラ包材」「紙包材」などがあります。
アルミ包材とプラ包材は、密閉性に優れていて外気を遮断する能力が高いです。
それ故、袋の中の空気を抜き、袋の口をしっかりと封じればOKです。
紙包材はアルミ包材やプラ包材に比べ、密閉性が劣るので、ジップロックなどの袋に種を移して保管しましょう。
参考までに、私が普段やっている密閉の仕方をご紹介します。
- チャック付きの袋に種を入れて、空気を抜いて閉じます。
- 種の袋にチャック付きの袋を入れます。
- 念のために、種の袋を2回以上折り返してクリップで固定します。
最後に
プランター栽培で作るものって毎年同じ野菜になりがちですよね、ミニトマトとか。なので、残った種をしっかり来年も使うためにしっかり保管しておきましょう。