野菜の育て方

種まき後は油断禁物!徒長の特徴と原因をご紹介

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苗の健康は大切ですが、徒長という現象に悩む方は少なくありません。徒長とは一体どのような状態を指すのか、そしてなぜそれが苗の健康に影響を及ぼすのか。さらに、早めの対策が求められる徒長のサインを見逃さないためにはどうしたらよいのでしょうか。多くのガーデニング愛好者や初心者が抱える疑問や悩みに応えるべく、この記事では徒長の原因から、その効果的な対処法までを詳しくご紹介します。

1.徒長とは?

徒長とは、植物の茎や枝が通常よりも長く、必要以上に伸びた状態を指す言葉です。具体的には、茎がひょろひょろと長く伸びて頼りなく、葉と葉の間隔が広く、全体的に隙間が多く見られる状態を示します。このような状態は、伸長生長**が肥大生長*よりも優勢になってしまった結果であり、茎は細長く、葉は茂らなくなります。

徒長の症状として、植物全体が元気がない、葉色が薄く、葉と葉の間隔が長い、自力で立つことができないなどが挙げられます。徒長の影響は植物にとって良くなく、その後の生長や実の付き方が悪くなり、最悪の場合、枯れてしまったり、病気や害虫に侵されやすくなります。

徒長は植物が発するSOSの一つで、早めの対応が必要です。一度徒長してしまった部分を元に戻すことは難しいため、適切な知識と対策が求められます。

2.徒長の原因

2-1.水の与えすぎ

水やりは植物の育て方の基本中の基本であるが、その量やタイミングに注意が必要である。水を過度に与えると、植物の体内で水分過多の状態が生じ、徒長を引き起こすことがある。特に、高等植物は80%~90%が水分で構成されているため、水やり過多は水膨れのような状態を引き起こす。

徒長の原因として特に挙げられるのが、夜間や曇りや雨の日に土が湿っていること。太陽のない時間帯や天候が悪い日は、土壌の水分が蒸発しにくいため、徒長を促進するリスクが高まる。このような時は、水やりの量を減少させるか、朝に水やりを行い、夕方までに土の表面が乾燥するように心掛けるべきである。

適切な水やりの方法として、まずは植物の種類や成長ステージに応じて、どれだけの水が必要かを正確に理解することが大切。過度な水やりを避けるためには、土の表面が乾くまで水やりを控える、特定の野菜(例:レタス)には注意深く水を与える、そして苗には朝に水を与え夕方以降は控えるなどの方法が有効である。

2-2.風通しが悪い

植物の健全な成長には適度な風通しが必要です。風通しの良さは、ジメジメの解消だけでなく、植物が分泌する成長ホルモンの調節にも関与しています。特に「エチレン」というホルモンが注目されており、これは植物が適度に風を受けることで分泌されるものです。エチレンは、植物の徒長を抑制し、茎を太くする働きがあり、さらにカビや菌の繁殖も抑える効果がある。

無風状態や風通しが悪い環境では、このエチレンの分泌が不足し、植物は過度に伸びる徒長を起こしやすくなります。特に、屋内や密閉したハウスでの育苗では、この点に注意が必要です。徒長を防ぐためには、室内での栽培時に窓を開ける、暖かい時期には屋外に植物を出す、また、植物に直接手で触れるなどしてエチレンの分泌を促すことが推奨されています。

実際に徒長のリスクが高い状況として、部屋の中に長時間放置された植物や混み合った状態で育てられた植物が挙げられます。このような状況を改善するための対策として、間引きや植え替えを行い、風通しの良い環境を確保することが大切です。

結論として、風通しを保つことは植物の健全な成長をサポートし、徒長の予防だけでなく、カビや菌の繁殖のリスクも低減させる重要な要素であると言えます。

2-3.日当たりが悪い

植物は光合成を行うために十分な日光が必要となります。日当たりの悪い環境に置かれると、植物はこの不足を補うために太陽の光を求め、色白で一方向にばかり伸びる「徒長」という現象を示すことが多い。これは俗に「もやしっ子」状態とも形容されます。

徒長の背後には、光合成を効果的に行うための光エネルギーが欠如していることが理由となっています。この光の欠如は、雨季や日照時間が短い秋や冬などの天候不良が続く時期に特に顕著になることがあります。

日当たりの悪さが徒長の原因であるとわかっても、植物をいきなり強い太陽の下に置くのは逆効果です。なぜなら、徒長している植物は病弱な状態になることが多く、強い日光に急にさらされることで、葉焼けを起こすリスクが高まるからです。そのため、徐々に明るい場所に慣らすことが大切です。また、植物が一方向の光のみを受けて徒長するのを防ぐため、鉢を定期的に180度回転させることで光の当たる方向を変えると良いでしょう。

特に室内での観葉植物の場合、日当たりを確保するためにカーテン越しの窓際に置いたり、植物の向きを時折変えたりすると、徒長のリスクを低減できます。

2-4.密生

日当たりが良く、風通しも良い場所で水やりも適切に行っているにもかかわらず、徒長が発生する場合の一つの原因として「密生」があります。密植の状態では、植物同士が互いに競争をし、光や栄養を確保するために上に伸びる傾向が強まります。このような状態で発芽すると、カイワレ大根のように細い茎での徒長が起こり易くなります。

密植の典型的な例として、寄せ植えが挙げられます。特に多肉植物の場合、徒長によって寄せ植えが徐々に美しい形を保てなくなることがあります。徒長を防ぐための主な対策としては、株間を一定に保つことが重要です。株同士の葉が触れ合わない程度の間隔で、適切に間引きを行うことが推奨されます。また、寄せ植えが密生の原因となる場合、植物を分けて適切な鉢に植え替えることで、徒長のリスクを減らすことができます。

2-5.高温の環境

高温の環境は植物の徒長を引き起こす原因となります。特に夏季に育苗を行う場合、例えばトマトなど、は徒長しやすくなる傾向があるため注意が必要です。苗床が高温になると、この徒長のリスクが高まります。ビニールハウスや他の施設栽培の場面では、高温が予想される日には事前の対策が要求されます。具体的には、昼間の換気を積極的に行い、夜間でも温度をできるだけ下げる努力が必要です。また、ハウス内での高温を避けるために、遮光シートの設置や早めの換気操作を行うことで、苗床の温度を適切に保つことが推奨されます。

2-6.窒素過多

窒素は植物の生長を促進する要素であり、特に茎や葉の発展に重要です。しかし、窒素成分を過剰に供給すると、植物は徒長するリスクが高まります。生育の初期には窒素肥料が必要で、これは葉肥えとも称される。窒素は根から吸収され、タンパク質の合成に用いられます。そのため、窒素が不足すると葉の色合いが薄れる、サイズが小さくなるなどの生育不良が発生することがあります。一方で、過度な施肥は葉や茎の急激な成長を引き起こし、徒長の原因となります。

窒素の過剰供給は特に水耕栽培や養液栽培において注意が必要です。これらの栽培方法では植物は水や肥料を制限なく吸収するため、施肥管理が不可欠です。例として、トマトの場合、窒素が多いと上位の葉が内側に巻く現象が見られることがあります。適切な施肥量を見極めることが重要で、窒素が過多の場合は潅水量を増やして窒素を排出する対策を取ることが推奨されます。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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