豆知識

もったいないと思う前に!スペインのトマト祭り「ラ・トマティーナ」の意義と使用されるトマトの秘密

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こんにちは、ムギです。昨日に引き続き、今日も「野菜」がメインのイベントについてです。
スペインの町がトマトの海に染まるあのお祭り、皆さんはご存知ですか?街中が真っ赤に変わり、参加者たちがトマトをひたすら投げ合う、そう、それが「ラ・トマティーナ」です。 この祭りは表面上はただのトマト投げ合いに見えるかもしれませんが、実はその背後には深い意義と歴史、そして使用されるトマトの秘密が隠されています。今回は、これらについてまとめましたのでぜひご覧ください。

トマト祭り(ラ・トマティーナ)とは?

トマト祭り、別名「ラ・トマティーナ/ La Tomatina」とは、スペインのバレンシア州ブニョールという町で開催される、毎年8月の最後の水曜日のトマト投げ祭りです。この街が真っ赤なトマトの海に変わるこの祭りは、独特の雰囲気で知られ、世界中から多数の観光客が集まります。

日本でもテレビ番組で取り上げられるなど、その人気は高く、スペインを訪れる多くの観光客がこの祭りを体験するために訪れています。参加者たちはトマトを手に、熱狂的な投げ合いを楽しみます。

1-1.トマト祭り(ラ・トマティーナ)が行われる街ブニョール

スペインのバレンシア州に位置するブニョールは、その名を世界に知らしめるトマト祭りで毎年注目される町です。この小さな静かな田舎町は、トマト祭りが開催される8月の最終水曜日になると、5万人以上の観光客で賑わいを見せます。

ブニョールの歴史は古く、ローマ時代やアラブ時代の影響を受けた痕跡が今も残っています。多様な文化が融合してきた結果、町には多くの歴史的建造物や古代の遺跡が点在しています。長い間、農業が主要な産業として栄えてきましたが、今や観光が町の主要な経済活動となっています。中でもトマト祭りは、毎年多くの観光客を引き寄せ、地域経済に大きな貢献をしています。

トマト祭りの魅力だけでなく、ブニョールはその美しい自然や歴史的な建築物、そして多様な文化遺産で訪問者を魅了します。この町は、自然の美しさと歴史的背景を併せ持った、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

1-2.トマト祭り(ラ・トマティーナ)の歴史

トマト祭りは、1945年頃にスペインのブニョールで始まったとされています。その起源には諸説がありますが、最も広く信じられているのは、地元の若者グループの喧嘩がきっかけで、店先に並んでいたトマトを投げ合ったことから始まったというものです。この一時の出来事が、住民たちにとっての楽しい行事として定着し、1959年にはブニョールの町によって正式にトマト祭りとして許可されました。

1975年からは、町がトマトを提供するようになり、さらに収穫祭としての側面も持つようになりました。この祭りの規模は年々拡大し、国際的な人気を博すようになりました。その結果、2013年からは参加人数の制限のため、チケットが有料化されました。

1-3.トマト祭り(ラ・トマティーナ)の前夜祭

トマト祭りが毎年8月の最終水曜日に開催される前日の夜、ブニョールの街は特別な雰囲気に包まれます。街全体はイルミネーションで美しく彩られ、移動遊園地やカーニバルが登場します。大通りには、スペインの屋台「チリンギート」が立ち並びます。

前夜祭では、特別なイベントやショーは開催されないものの、街の住民や観光客たちは広場に集まって酒を飲みながらダンスを楽しんで盛り上がります。トマト祭りの前夜祭の雰囲気を満喫したい方には、前日からブニョールに宿泊することをおすすめします。

1-4.トマト祭り(ラ・トマティーナ)のイベント内容

スペインのバレンシア州ブニョールで毎年8月の最後の水曜日に開催されるトマト祭り、ラ・トマティーナは、世界中からの観光客を魅了する熱狂的なイベントです。祭りの当日は、早朝から町の広場に大量のトマトが運ばれてきます。

祭りの開始を告げる特別なイベントが「パロ・ハボン」です。朝10時頃に行われるこのイベントでは、数十メートルの高さの棒の先端にハムが吊るされます。参加者たちはこの棒をよじ登り、最先端のハムを取ろうと奮闘します。しかし、この棒は石鹸などで滑りやすくされており、ハムを取るのは至難の業となっています。結局、ハムを取ることが出来なかった年もあります。見事、ハムを最初に取った人はその場の英雄として称されます。その熱狂的なムードがトマト祭りへの期待感をさらに高めます。

その後、大会開始を求める声が出ると、ブニョール役場の号砲が鳴らされ、大量のトマトを積んだトラックが広場に到着。トマトが参加者に向けて投げ渡され、熱狂的なトマトの投げ合いがスタートします。投げる前にトマトを軽くつぶすのがルールとなっており、このルールによりケガのリスクが低減されます。

祭りは約1時間続き、12時に大砲が再び鳴らされるとトマトの投げ合いは終了します。その後、参加者は公共のシャワーや地元の住民が提供するホースで体を洗います。そしてブニョールの町の住民や消防士が、道路のトマトを洗い流し、町をきれいに戻します。

トマト祭りが終わった後も、町の雰囲気は活気に満ちています。参加者たちは地元のバーやレストランで食事を楽しみ、祭りの余韻に浸るのです。この祭りは、地元の住民だけでなく、世界中からの観光客にも大変愛されています。

トマト祭りで使われるトマトについて

トマト祭りにおいて、毎回100トン以上のトマトが使われます。この数には驚くかもしれませんが、さらに驚くべきはこれらのトマトが食べられない訳ありのものであるという事実です。トマト祭りで使用されるトマトは、虫に食われたり、腐敗が始まったりと、通常の流通ルートでは売られない規格外のもの。ブニョールの町は特定の会社と契約を結び、廃棄予定のトマトをお祭りのために2週間前に仕入れます。

この方法により、実は食材の無駄を削減しており、むしろこれらのトマトを有効に活用しているのです。トマト祭りは表面的には単なるトマトの投げ合いのイベントとして見られがちですが、実は参加者や地域の一体感を高める重要な役割を果たしています。そして、過剰に生産されたトマトや消費に適さないトマトが、この祭りを通じて有意義に利用されているのです。

最後に

ハロウィンに続き、今回はトマト祭りについてご紹介しました。何も知らないと、「トマトがもったいない」と思われがちですが、食べられない(販売出来ない)トマトを使うなら問題ないですね。トマトは害虫被害が多い野菜の一つですので、B品扱いのキズモノも多い印象です。そういったトマトが捨てらず消費されるのは良いことですね。いつかは、私もトマト祭りに参加したいものです。

ハロウィンに続いて、今回はトマト祭りについてご紹介しました。大会について何も知らないと、「トマトを無駄にしているのでは?」と感じるかもしれませんが、食用に適さないトマトを活用するのであれば問題ありませんね。トマトは害虫被害を受けやすい野菜の一つで、そのためB品やキズモノが多くなることもあります。そのようなトマトが無駄にならずに利用されるのは、環境にも優しい取り組みと言えます。いつの日か、私もトマト祭りに参加してその魅力を直接体験したいです。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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