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大量発生する雑草のスギナを徹底解説!その繁殖力の秘密とは?正しい駆除方法を紹介

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畑や庭でスギナが大量に生えて困っている方も多いのではないでしょうか。スギナは一度生えると、その繁殖力の高さから簡単には駆除できない厄介な雑草です。では、なぜスギナはこんなにも強力な繁殖力を持っているのでしょうか?また、どのようにして効果的に駆除することができるのでしょうか。今回は、スギナの生態からその駆除方法まで、徹底的に解説していきます。

スギナとは?

スギナの特徴

スギナは日本全土に生息するシダ植物で、トクサ科に分類されています。春の初め、スギナは地上に胞子茎と栄養茎を出します。その胞子茎は私たちがよく目にする「ツクシ(土筆)」です。ツクシは胞子を持っており、この胞子が飛散することでスギナは繁殖します。特に湿気の多い条件下では、この胞子が数万個飛散し、新たなスギナの芽が出てくる。また、ツクシ以外の期間にも、地下茎や塊茎を利用して繁殖する能力があります。

スギナの基本情報

和名杉菜(スギナ)
別名土筆(ツクシ)、ツクシンボウ、地獄草(ジゴクグサ)など
学名Equisetum arvense
英名Field horsetail
科名トクサ科 (Equisetaceae)
属名トクサ属 (Equisetum)
原産地ヨーロッパやアジアなど、広範囲にわたる
分布日本全土をはじめ、北半球の温帯に広く分布している
形態多年草。特に初春に現れる胞子茎(ツクシ)が特徴的。

スギナ・ツクシの名前の由来

スギナは、その独特な形状から様々な名前として知られています。属名としての「Equisetum」は、ラテン語の「equus(馬)」と「seta(剛毛)」を組み合わせたもので、これはスギナの段々と輪生する棒状の葉が、馬の尾に似ていることに由来します。

また、春に出てくるスギナの胞子茎は「ツクシ」として親しまれています。ツクシという名前の由来は、複数の説がありますが、「付く子」という意味や、薄茶色の部分が継ぎ目のように見えることから「継く子」と言われるようになったとされる説が一般的です。さらに、ツクシは「土筆」とも書かれ、これは土から出てくる筆のような形状に基づいています。

スギナはまた、「地獄草(ジゴクソウ)」とも呼ばれることがあり、これはその深い根を持つ特性から名付けられました。

英語での呼び名としては「Field horsetail」、つまり「野原の馬の尾」という名前が与えられており、その姿が馬の尾に似ていることを反映したものとなっています。

スギナ・ツクシの花言葉

スギナ、特にその胞子茎であるツクシには、いくつかの花言葉が関連付けられています。その主な花言葉は「向上心」で、これはツクシが地の中から空に向かって勢いよく成長する様子に基づいています。この成長力の強さから「努力」という花言葉も与えられており、事実、ツクシは1日に約1cmの速さで伸びていくとされています。

さらに、ツクシの外見とスギナの葉の外見が異なるにもかかわらず、実は同じ地下茎から成長していることから、「意外」や「驚き」という花言葉も持っています。これらの花言葉は、ツクシとスギナの驚異的な生態や生育の特性を表現するものとなっています。

スギナの繁殖力

スギナは強力な繁殖力を持っています。主に胞子、地下茎、そして塊茎の3つの方法で増えていきます。地下には30〜40cmの深さに張り巡らされた根茎が存在し、これがスギナの繁殖力の源となっています。根茎は夏から秋にかけて伸び続け、その伸長がスギナの繁殖の1つめの方法です。さらに、根茎の節からは葉を伸ばし、コブ状の塊茎が形成される。この塊茎に蓄えられた養分を利用して、横方向や垂直方向に根茎を伸ばしていく。そして、もし根茎が切断された場合でも、この塊茎から新たな芽を出すことができる。

スギナの防除の困難さ

スギナの防除は非常に難しい。地上の葉や茎を取り除いても、強固な地下茎が存在し続けるため、容易に繁殖してしまう。地下茎は30cmから1mの深さまで伸びることがあり、一度広がってしまうと、この深さにある地下茎を人力で取り除くのは困難です。耕うん機を使用すると、断片となった地下茎が広範囲に散らばり、さらなる繁殖を促進してしまうことも。

スギナとイヌスギナの違い

イヌスギナもスギナに非常に似ているが、いくつかの違いがある。イヌスギナはスギナよりも大型で、胞子茎を持たない代わりに、栄養茎の先端に胞子のう穂を持つ。

根茎と塊茎の特性

スギナの根茎は地中に伸びる茎で、垂直と水平の2つの方向に成長する。垂直な茎の萌芽適温は20℃、水平な茎は10℃とされている。一方、塊茎は根茎の一部で、栄養が豊富に詰まっている。塊茎からは新しい芽が生じる能力があり、その萌芽の適温は20℃とされている。ただし、根茎と塊茎の伸長活動は5℃から35℃の範囲で活発に行われる。

スギナの駆除方法

スギナは、畑や庭で見かけることの多い厄介な雑草です。一度大量発生すると、対応が難しくなるため、早めの駆除が重要となります。

1.農薬・除草剤の使用

スギナを駆除するための一番の手段は、農薬や除草剤の使用です。特に、土中の根まで浸透して効果を発揮する「ラウンドアップ」や「サンフーロン」は、スギナに特に効果的とされています。ただし、一度茎葉処理型の除草剤で地上部を枯らしてから、浸透移行型の薬剤で地中の根を駆除するのがオススメです。使用時には、他の植物に影響が出ないよう注意が必要です。

2.防草シートの使用

地上に生えてくるスギナを予防するために、防草シートを使用する方法もあります。このシートは、地表を覆うことで雑草の発生を抑える効果が期待されています。特に、厚手で高密度のシートがスギナ対策として効果的です。

3.熱湯をかける

化学薬品を使いたくない場合、熱湯をスギナにかけることで駆除する方法も考えられます。この方法は、特定のエリアにピンポイントで対応したい場合に向いています。ただし、大量のスギナに対しては、大量の熱湯が必要となるため、現実的ではないことが多いです。

4.塩を使う

塩を地面にまくことで、スギナを枯らす方法も一部で行われています。しかし、この方法は土壌の塩分濃度を上げてしまう恐れがあるため、後の植物の生育に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

いずれにしても早めの対策と、適切な駆除方法の選択によって、スギナの問題を効果的に対処することができます。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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