クサギカメムシ被害の全貌:その特徴・生態を徹底解説し、効果的な予防策を紹介
みなさんも庭や畑でクサギカメムシの被害に直面したことはありませんか?この昆虫は特有の臭いとともに、作物や植物への影響をもたらすことで知られています。この記事を見て、クサギカメムシの被害を最小限に抑えるために、特徴や生態などを理解しましょう。
クサギカメムシとは
クサギカメムシはカメムシ目カメムシ科に所属する昆虫で、全身が濃い茶褐色で細かい斑点がある特徴を持ちます。体長は約1.3~1.8cmで、カメムシの中でも大きな種類です。
主に針葉樹の種子を好物としており、特にヒノキやスギの種子が好きですが、大量発生時には果樹園などの農作物も攻撃することがあります。
また、クサギカメムシは、強烈な臭いを放つ性質があり、触るとその臭いが手に付着してなかなか取れないため、取り扱いには注意が必要です。特に小さなお子様が触れた場合、目をこすってしまうと危険です。
クサギカメムシの生態
クサギカメムシは、生態的に非常に興味深い昆虫です。その寿命は約1年で、夏の初めに誕生し、何度もの脱皮を経て成虫になると冬眠の準備を始めます。自然界では、冬眠する際には樹木の隙間や落ち葉の中など気温が低下しにくい場所を選びますが、暖かい場所を好む性質があるため、人々の家でも見かけることがあります。
春になると、外気温が10度を超えると活動を始め、産卵のための栄養を補給するために果実や野菜、木の導管液などを食べるようになります。これは農家にとっては悩ましい時期であり、クサギカメムシが大量に現れることが知られています。繁殖に関しては、一度の産卵で28個の卵を生む能力を持ち、特に暖かい地域では春から夏にかけて2回の産卵が確認されています。
成虫と幼虫の間で、食性に大きな違いがあります。成虫は果実や葉、茎など幅広い植物を食べるのに対し、幼虫は主に松ぼっくりなどの球果を食べるため、農作物への影響は少ないです。成虫は広い範囲での活動が見られるが、幼虫は産卵地であるマツやスギなどの木の近くでの生活が中心です。
28個の卵は密集して生まれ、孵化後もしばらくは密接したままで成長します。数回の脱皮を経て徐々に離れるようになりますが、行動は基本的に集団で行います。しかしながら、成虫になると冬眠場所を探す際には単独で行動することが多いですが、好条件の場所では再び何匹かで固まって行動することがあるようです。
食事としては、ほとんど全ての植物を栄養源として利用します。特に葉や茎に針を刺し、栄養を吸収する方法を取るため、植物にとっては被害が出ることがあります。このため、特に農作物に対しては甚大な被害をもたらすことがあり、農家からは天敵とみなされることが多いです。クサギカメムシの主な活動期間は春から秋にかけてで、春には繁殖のための栄養を蓄え、夏に繁殖を行い、秋にはその生涯を終えるパターンが多いです。
ホオズキカメムシと同じく、よく寄生する植物の「臭木」から来ています。
クサギカメムシの被害について
クサギカメムシは植物の汁を吸う生態を持っており、その被害は葉、花、果実に及びます。葉に関しては、通常の状態では被害は少ないのですが、大量発生や餌不足の際には積極的に葉の汁を吸います。その結果、葉は縮む、変形する、または穴が開くことがあります。花に対する被害も似ており、蕾が吸汁されると開花が妨げられることがあり、開花後の花も変形や枯死のリスクが増えます。
しかし、最も深刻なのは果実への被害で、特にカキ、ナシ、リンゴ、モモなどの果樹が対象となります。カキは吸汁被害を受けると、黒い斑点が現れ、果実全体が黄色く変色し、最終的には落果することがあります。ナシやリンゴは落果することは少ないものの、果実の表面に吸汁痕が陥没して奇形となる場合があり、品質も劣化します。モモは、吸汁痕からヤニや果汁が漏れ出し、外見や収穫後の品質に大きな影響を及ぼすことが知られています。
クサギカメムシの予防について
周囲の雑草を除去
カメムシは落葉や雑草の中で産卵します。したがって、畑の落葉や雑草を定期的に清掃することで、カメムシの発生を防ぐことができます。
木酢液を散布
カメムシは木酢液の匂いを嫌います。そのため、木酢液はカメムシの忌避剤として使用できます。具体的な使い方としては、ペットボトルなどを使って木酢液を約100倍に薄め、その後スプレーで作物の周りに散布する方法が効果的です。(ニームオイルやハッカ油もカメムシが嫌がるので使ってみてください)
防虫ネットの使用
クサギカメムシの大きさは12mm程度なので、4mm程度の防虫ネットで囲うことで侵入を防ぐことが出来ます。
ミントの栽培
ベランダでの小規模栽培にはミントの植樹が有効です。ミントの香りを嫌うクサギカメムシは、ベランダ近くにミントの鉢を置く、ミント水をスプレーすることで寄り付かなくなります。
殺虫剤の散布
これは説明不要だと思いますが、市販で売られている殺虫剤をしようする方法です。カメムシに効果的な薬剤は害虫駆除でお馴染みの「マラソン乳剤」や「アディオン乳剤」などです
最後に
カメムシの中でもメジャーなクサギカメムシを紹介しました。見つけたら嫌な臭いを出させないように注意して駆除しましょう。