野菜の育て方

枝豆の栽培で失敗しないための家庭菜園ガイド:病気と害虫対策を解説

枝豆1
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枝豆は多くの料理で活躍する美味しく、栄養豊富な食材ですよね。ビールのお供にはもちろん、健康なスナックとしても人気です。しかしその一方で、病気や害虫による栽培の失敗も少なくありません。そこで今回の記事では、病気と害虫の対策を中心に、枝豆の栽培に必要な知識を丁寧に解説します。

枝豆(エダマメ)の基礎情報

枝豆2

枝豆(えだまめ)について、こちらを参考にしてみてください。
※品種により若干数値が変わりますので、あくまでご参考程度に。

栽培の難易度★2(初心者でも病気や害虫に対する基本的な対策ができれば容易に栽培可能)
科名マメ科
原産地中国
草丈約50cm~100cm
連作障害発生する可能性は低い(ただし土壌病害が出た場合は2~3年は避ける)
適した栽培環境日当たりと排水のよい場所。
日当たり日当たりがよく、暖かい場所が望ましい。
土壌酸度pH 6.0~7.0(酸性から中性)
株間約20cm~30cm
畝幅約50cm~60cm
畝高約15cm~20cm
発芽適温15°C~30°C
生育適温20°C~30°C
種まき時期春(4月 – 6月)、夏(7月 – 8月)
発芽日数5日~10日
苗植え付け時期種まきから約2週間後。
収穫時期種まきから約70日~90日後。
コンパニオンプランツに
向いている野菜
トマト、キュウリ、コーン。枝豆は窒素固定植物であり、土壌を豊かにする効果があるため、多くの野菜との共存が可能です。

栽培のポイント

  • 発芽適温:枝豆の種は、温度が15℃~30℃の範囲であれば発芽します。この温度範囲を保つことで、種まきから約5~10日で芽が出てきます。気温が低すぎると発芽が遅れ、高すぎると発芽率が低下する可能性があります。
  • 生育適温:枝豆は暖かい気温を好む植物であり、20℃~30℃が最も理想的な生育温度とされています。しかし、猛暑や乾燥には弱いため、高温期や乾燥期は水やりをしっかりと行い、必要に応じて日陰を作ることが重要です。
  • 栽培期間:種を蒔いてから収穫まで、通常は約70日~90日となります。春(4月 – 6月)や夏(7月 – 8月)に種まきを行い、それぞれの時期に収穫を迎えることができます。特に夏には病気や害虫に注意が必要です。

栽培手順

1.土作り

美味しさを引き出すためには、適切な土作りが欠かせません。以下にカブの土作りのポイントと方法をまとめています。

地植え・露地栽培の土作り

  1. 土の酸度調整: カブは中性に近い弱酸性の土を好むため、pH値を6.0~6.5の範囲に調整することが大切です。これを実現するために、種まきの2~3週間前に畑の1㎡あたり100g~150gの苦土石灰をまいてよく耕します。
  2. 肥料の施用: 種まきの1週間前には、1㎡あたり2kgの堆肥と、100gの化成肥料を混ぜ込むようにします。これにより、カブがしっかりと栄養を取り込める環境を整えることができます。
  3. 畝の設置: カブの成長を助けるためには、良好な排水性と保水性を持つ土壌が必要です。これを実現するために、高さ10cm~15cmの畝を作成します。さらに、カブの種類によって畝間の間隔も変わります。具体的には、大カブは50cm、中カブは25cm、小カブは15cmとなります。

プランター栽培の土作り

  1. 土の配合: プランター栽培には、赤玉土(小粒)5、川砂2、バーミキュライト3の割合で配合した土を使用します。この配合土は、カブが好む保水性と排水性を両立させるためのものです。
  2. 肥料の混合: 用意した10リットルの土に対して、10gの苦土石灰と20gの化成肥料を混ぜます。この工程も、種まきの2週間前に行います。
  3. プランターへの土の設置: 土をプランターに入れる際は、容器の8割くらいまでを目安にし、残りのスペースはウォータースペースとして空けておきます。

2.種まきや育苗

地植え・露地栽培での種まき

  1. 畝の作成:横幅75cmの畝を用意。大カブは条間50cmで2条、中カブは条間25cmで3条、小カブは条間15cmで4条を目安にまき溝を作る。
  2. まき溝の作成:深さ1cmのまき溝を掘る。まき溝作成には棒や支柱を利用すると均等な深さと幅を保つことができます。
  3. 種の播種:カブの種を1cm間隔でまき溝にすじまきする。
  4. 土の寄せ:播種後、土を寄せて5mm程度覆土する。手のひらで軽く押さえる。
  5. 水やり:カブの種は小さいため、流れないように優しくたっぷりと水を与える。

プランター栽培での種まき

  1. 鉢底石の敷き:プランターの底に鉢底石を敷き、排水を良くする。
  2. 土の入れ:野菜用の培養土や自作の土をプランターに8分目まで入れる。
  3. まき溝の作成:深さ5mm〜10mmのまき溝を2条作る。条間は10cm〜15cmとる。
  4. 種の播種:カブの種を1cm間隔でまき溝にすじまきする。
  5. 土の寄せ:播種後、土を寄せて軽く覆土する。
  6. 水やり:種が流れないように気をつけつつ、たっぷりと水を与える。
注意点
  • カブの種まき後は、土が乾かないように定期的な水やりが必要。
  • カブはハモグリバエなどの害虫に弱いため、防虫ネットを使用して害虫を予防することがおすすめ。
  • 立派なカブを育てるためには、種まきの方法や間隔、土の質など、細かな点にも注意を払うことが大切です。

3.管理(追肥・土寄せ・水やり・摘み取り)

間引きのタイミングとやり方

  1. 双葉が出たら:3cm間隔に間引き。
  2. 本葉3枚時:5~6cm間隔に間引き。
  3. 本葉5~6枚時:小カブ10cm、中カブ15cm、大カブ25cm間隔に間引き。
ポイント

三回に分けて間引きを行うことで、実割れのリスクが軽減できます。

追肥(肥料)

二回目と三回目の間引きのあとに行いましょう。

水やり

  • 地植え・露地栽培: 地中からの水分供給があるため、通常は不要。しかし、乾燥が続く場合は水やりが必要。
  • プランター栽培: 土の表面が乾いたら、十分に水を与える。茎葉がしおれてきたら、水分不足のサイン。

その他

  • 中耕: 間引きや追肥と同時に、畝や株の間の土を軽く耕すことで土の締りを緩める。
  • 土寄せ: 大きく成長したカブが倒れにくくするため、また日射しを避けてきれいなカブを育てるために行う。カブの根の張りは浅いため、しっかりと支えることが大切。

4.収穫

枝豆3

収穫のタイミング

品種による収穫時期。

  • 大カブ:種まきから約60〜90日
  • 中カブ:種まきから約50〜60日
  • 小カブ:種まきから約40〜50日

実の大きさによる収穫目安。

  • 大カブ:直径20cm~30cm
  • 中カブ:直径8cm~10cm
  • 小カブ:直径5cm以上

収穫方法

  • カブの葉の付け根をしっかり掴み、引き抜きます。
  • 地面からせり上がっているカブの肩部分の土を軽く掘って大きさを確認しましょう。適切な大きさのカブはそのまま収穫し、小さいものはさらに成長させるために土をかぶせます。
注意点
  • 適期を過ぎると、カブは裂けたり味が落ちたりする可能性があるので、タイミングを逃さないようにしましょう。
  • 収穫したら葉の部分を速やかに切り取り、水分の蒸散を防ぎます。
  • カブの茎や葉も栄養価が高いので、捨てずに調理で利用できます。

枝豆の種はどこで買えるの?

枝豆の種を手に入れたい場合、まずは近くの園芸店やホームセンターを訪れると良いでしょう。これらの店舗では、多くの野菜の種が取り扱われており、枝豆の種も一般的に置いてあります。また、地域の農協、通称JA(日本農業協同組合)でも、農家向けの種が購入できることがあります。品種のバリエーションが豊富に取り揃えられていることが特徴です。オンラインショッピングを利用することも考えられます。Amazonや楽天などの大手ショッピングサイトでは、さまざまな品種や産地の枝豆の種が取り扱われています。加えて、専門的な種苗店なども存在し、特定の品種や有機栽培用の種など、特色のある品揃えを提供している場合があります。どこで購入するにしても、品種や耐病性、栽培の適期などをしっかり確認し、自分の栽培環境や目的に合わせて選ぶことが大切です。

枝豆栽培で注意すべき病気

枝豆は多くの病気に対して脆弱であり、適切な管理と予防策が不可欠です。以下、枝豆栽培時に注意すべき主要な病気とその対策について紹介します。

菌核病

  • 症状:外葉の地面に接する部分から褐色に軟化腐敗し、白いカビが発生。このカビは次第に黒い塊(菌核)に変わる。
  • 対策:「軟腐病」との区別が必要。軟腐病には独特の悪臭がある。

軟腐病

  • 症状:組織が水浸状になり、軟化して独特の悪臭を放つ。
  • 対策:スターナ水和剤の散布。罹病株の処分後、次回の作付けで予防的な防除を実施。

根こぶ病

  • 症状:茎葉がしおれ、根に大小のこぶが形成される。
  • 対策:土壌pHを7.2以上に調整。石灰窒素の施用が有効。

白斑病

  • 症状:葉に灰白色の病斑が発生。
  • 対策:早期発見と除去が鍵。

べと病

  • 特徴: 葉に淡黄色から黄褐色の病斑が現れ、カビが生じる。
  • 防除方法: 密植や過湿を避け、土壌からの感染対策として敷きワラやビニールマルチの利用。

モザイク病、えそモザイク病

  • 症状:葉脈が透ける、葉の縁にモザイク状の濃淡が現れる。成長が遅れたり結球不良が発生することも。
  • 対策:アブラムシの発生を防ぐ。育苗時に寒冷紗やシルバーマルチを使用。周辺の除草と早期のアブラムシ防除が必要。

白さび病

  • 症状:葉裏や茎に乳白色の小斑点が発生し、粉状の胞子が飛散。
  • 対策:発病前の殺菌剤散布。発病後は病葉や株の除去。

病気の発生を未然に防ぐためには、定期的な観察と早期の対応が必要です。特に湿度や水分管理は枝豆の病気発生に大きく関わるため、注意が必要です。

枝豆栽培で注意すべき害虫

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枝豆はおいしい野菜として知られていますが、多くの害虫が枝豆を好むため、栽培には注意が必要です。以下は、枝豆の主要な害虫とその特徴、対策を簡単に紹介します。

アブラムシ

  • 特徴: 小さな虫が集団で生息。
  • 食害: 吸汁し、モザイク病のウイルスを媒介。
  • 対策: 播種時からの綿密な防除策。

アオムシ(モンシロチョウ)

  • 特徴: 緑色の細かい毛が生えた小さなイモムシ。
  • 食害: 葉を食べる。
  • 対策: 育苗中からの葉の裏や付け根をこまめにチェックして葉ごと除去。

ヨトウムシ(夜盗虫)

  • 特徴: イモムシ状の幼虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: ヨトウガやシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウを特にチェック。

ナメクジ

  • 特徴: 新芽や若葉を舐めるように食害。
  • 食害: 大きく育った株は食害しないが、結球した葉と葉の間に潜む。
  • 対策: 葉と葉の間のチェックと早期の除去。

ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)

  • 特徴: 黒色の幼虫や丸い形の成虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: 育苗中からのこまめなチェック。

ハイマダラノメイガ(芯食い虫)

  • 特徴: イモムシ状の幼虫。体長2cm、淡褐色で5本の縦筋、頭部が黒い。
  • 食害: 芯葉に潜り、食害。葉同士を綴り合わせて食べる。
  • 対策: 早めの発見と葉の除去。

キスジノミハムシ

  • 特徴: 成虫は体長3mm程度の甲虫。
  • 食害: 成虫は葉、幼虫は根を食害。
  • 対策: 土壌の健康管理と早期の除去。

コナガ

  • 特徴: 体長10mmほどの淡緑色の幼虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: アオムシとの見分けをつけ、早期に除去。

枝豆栽培の際にはこれらの害虫をしっかりと管理し、健康な枝豆を収穫するための工夫が求められます。特に、害虫のつきにくい土壌の作成や、早期の発見と対策が鍵となります。大量発生した場合は、適切な農薬の使用も検討しましょう。

ABOUT ME
ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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