家庭菜園でのナス科の大敵、ホオズキカメムシの駆除法と予防法を徹底解説
カメムシは独特の強い匂いで知られる昆虫ですが、農家にとっては果樹や水田、果菜類などで大きな被害を引き起こす害虫としても知られています。特に、ナスなどの野菜を食害するホオズキカメムシの特徴や、これを駆除・防除するおすすめの農薬、さらには農薬を使わない方法をこちらで詳しく紹介します。
カメムシとは
カメムシは、カメムシ目のカメムシ亜目に属する昆虫で、体の形状がカメの甲羅に似ていることからこの名前がついています。その体は五角形に近い形状を持ち、頭は先端が尖った三角形です。非常に多くの種類が存在し、日本国内だけでも約100種類が生息しています。形や色のバリエーションも豊富で、ミドリカメムシやクモヘリカメムシなどが知られています。
地域によっては、「クサムシ」「ヘコキムシ」「ヘッピリ」「クサンボ」「ジャコ」といった様々な名前で呼ばれています。驚かせると、または攻撃されると、腹面から強烈な臭いの液体を飛ばして防御します。この臭いは非常に特徴的で、多くの人々にとって不快とされるものです。
春から秋にかけて、カメムシは様々な植物の汁を吸って生活します。特に、ヤシャブシ、ヒノキ、スギなどの樹木を好みますが、大量発生する年には果樹や農作物にも移動し、被害を及ぼすことがあります。特に日本の稲作地帯では、ウンカやイナゴと並ぶ重要な害虫として認識されています。
成虫は冬を越冬し、春に活動を再開します。夏には繁殖活動を行い、8月頃には新たな成虫が登場します。家の近くで大量発生すると、洗濯物や窓などに集まり、その強烈な臭いを放つことから、日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
ナス科の天敵ホオズキカメムシとは
植物に被害を与える主要なカメムシはホオズキカメムシ、チャバネアオカメムシなどがあり、稲にはアオクサカメやクロカメムシなどが影響を及ぼします。特に、ナス科の害虫であるホオズキカメムシに焦点を当てて紹介します。
ホオズキカメムシはヘリカメムシ科に属し、ナス科作物(ナス・トマト・ピーマンなど)を主に害する害虫ですが、ヒルガオ科作物やタバコ、ナシなどにも被害を及ぼします。成虫の大きさは約12㎜で、日本国内では本州から沖縄にかけて、6月~10月頃に被害が増えます。雌成虫は葉裏に10~30粒の卵を産み、幼虫や成虫は植物の茎や葉から吸汁します。アブラムシ防除剤の使用で被害は抑えられますが、大量発生すると作物の成長に影響が出ることがあります。
ホオズキに集団で寄生している様から名付けられた説があります。
ホオズキカメムシの被害について
ホオズキカメムシは、植物の茎や葉から汁を吸い取ります。この吸汁行為により、果実は変形し、落果や腐敗の被害が起こり、出荷できなくなることもあるため、収穫量が減少します。植物の茎からの汁を過度に吸われると、植物の成長が著しく低下するため、これらのカメムシは害虫とされています。
ホオズキカメムシの駆除について
ホオズキカメムシは、木酢液などで撃退は出来ますが、時間が経てば戻ってきてしまいます。ですので、捕殺が推奨されます。ホオズキカメムシはその生態から集団で株に寄生します。手作業で捕まえるのも良いですが、茎を揺らすことで幼虫や成虫は簡単に地面に落ちます。予め、地面にビニール袋などを用意して捕まえるのがオススメです。
寄生された植物の葉裏には、10~30粒程の金色の卵が産み付けられていますので、発見したら葉っぱごと取り除いて処分しましょう。
殺虫剤の散布
これは説明不要だと思いますが、市販で売られている殺虫剤をしようする方法です。ホオズキカメムシに効果的な薬剤は害虫駆除でお馴染みの「マラソン乳剤」や「アディオン乳剤」などです
ホオズキカメムシの予防について
前述でホオズキカメムシの駆除の方法を説明しましたが、発生しないように事前に対策することも重要です。こちらもいくつ紹介します。
周囲の雑草を除去
カメムシは落葉や雑草の中で産卵します。したがって、畑の落葉や雑草を定期的に清掃することで、カメムシの発生を防ぐことができます。
木酢液を散布
カメムシは木酢液の匂いを嫌います。そのため、木酢液はカメムシの忌避剤として使用できます。具体的な使い方としては、ペットボトルなどを使って木酢液を約100倍に薄め、その後スプレーで作物の周りに散布する方法が効果的です。(ニームオイルやハッカ油もカメムシが嫌がるので使ってみてください)
防虫ネットの使用
ホオズキカメムシの大きさは12mm程度なので、4mm程度の防虫ネットで囲うことで侵入を防ぐことが出来ます。
最後に
いかがだったでしょうか。ホオズキカメムシを見つけたときはだいたいが大量発生している状態だと思います。害虫の中では大きい部類なので、大量発生していると結構気持ち悪いです。しかし、他の害虫に比べれば悪影響は少ないので冷静に駆除していきましょう。