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家庭菜園でのハダニ害虫駆除と予防:その特徴と効果的な方法を解説する究極ガイド

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みなさんは、植物に小さな赤い虫が付いていたことはありませんか?それは「ハダニ」という害虫の可能性が高いです。ハダニは観葉植物から野菜、樹木に至るまで幅広い植物に寄生し、その栄養を奪います。特にガーデニング愛好者の間で、ハダニ被害は深刻な問題として知られています。今回の記事で、ハダニの生態や早期発見のポイント、そして効果的な予防・駆除方法について詳しく解説していきます。あなたの大切な植物を守るための情報をしっかりと掴み、ハダニ被害から植物を守る手助けをしていきましょう。

ハダニとは?

ハダニはダニ目ハダニ科に属し、具体的にはクモの仲間である節足動物の一部です。体長は約0.5mmと非常に小さいため、注意深く観察しないと確認できませんが、実際には肉眼でも視認可能です。足は通常8本ありますが、一部のダニ類は例外的に脚が2対や3対のものも存在します。ハダニは世界に5万種以上、日本には2000種類以上が生息していますが、その中でも日本に70種類ほどいるとされています。

ハダニはその生態で知られており、特に植物の葉の裏に寄生して体液を吸収することで、植物を弱らせる害虫として知られています。彼らは高温と乾燥を好み、特に梅雨明けから秋にかけての期間に活動が活発になります。また、雨が苦手で、雨が降ると数が減少しますが、雨が当たらない場所、例えば軒下などでは、増加しやすいので注意が必要です。驚くことに、ハダニは交尾をせずとも増殖することができ、この特性が被害の拡大を早める要因となっています。そのため、被害を最小限に抑えるためには早めの対処が不可欠です。繁殖に関して、卵で越冬するのが一般的ですが、環境によっては成虫が越冬することもあるとされています。

ポイント

ハダニはほとんどの野菜に寄生する可能性がある害虫です。

ハダニ類の生態

ハダニはその生命周期の中で、卵から幼虫へとふ化し、その後2〜3回の脱皮を経て成虫になります。この過程は、温度に大きく依存しています。例を挙げると、ナミハダニは25℃以上の温度では、卵から成虫になるまでの期間が約10日間となり、この期間中に急速に増殖する能力を持っています。

ハダニの主な生息場所としては、植物や野菜の葉が挙げられますが、種類によっては果実に寄生することもあります。彼らは栄養を吸い取ることで生存しており、特にその繁殖能力の強さが特徴的です。雌のハダニは、1日に数個から10個程度の卵を産み出すことができ、その生涯で約100個の卵を産むことができます。

ハダニの成長速度は、再び温度によって大きく左右されます。例えば、25℃の環境下であれば、卵からわずか10日前後で成虫になることが可能です。ハダニの中には休眠する種類としない種類が存在し、例として休眠しないミカンハダニは、気温が高い環境下であれば一年中増殖する可能性が高まります。

ハダニ類が発生しやすい条件

発生時期

ハダニ類は3月から10月にかけて発生し、特に梅雨明けから9月ごろにかけての繁殖が盛んとなります。7月から8月の盛夏期は高温(28℃以上)のため増殖量が少し低下することがあります。また、温暖な施設栽培の場合は、冬でも発生が継続します。

環境条件

ハダニ類は高温と乾燥した環境を好みます。雨の少ない年や、乾燥し密閉された施設栽培の環境では特に発生しやすく、大発生するリスクが高まります。気温が20℃から30℃の間での暖かい時期(3月から10月)に活動が特に活発となります。

生息場所

乾燥した環境や雨が直接当たらない場所、例えば軒下などを好み、植物の葉の裏に寄生しやすくなります。多くは葉の上で一生を過ごし、何世代にもわたって同じ葉上で生活することもあるとされています。

寄生植物

ハダニは多くの植物に発生することが知られており、身近な草花や野菜、ラン類、花木、庭木から果樹や茶葉まで、多岐にわたる植物に寄生して被害を及ぼします。

越冬する種類

ハダニの中には休眠性を持つものがいる。ミカンハダニは休眠性がないのに対し、ナミハダニ、カンザワハダニ、リンゴハダニなどは休眠性があり、これらの種類は越冬することができます。

ハダニの被害

ハダニは、植物や果樹、野菜などの生育や外観に深刻な被害をもたらします。以下に、ハダニの主な被害について詳しく説明します。

葉の被害

ハダニが植物の葉に寄生して体液を吸収すると、吸われた部分に白い小さな斑点が現れます。この被害が進行すると、葉全体が白っぽくなり、葉の葉緑素が失われて健康な色味を失います。

開花と生育の影響

ハダニの被害が進むと、花の色が褪せたり、開花期間が短縮されたりします。草花や観葉植物、野菜などは、被害が重い場合には落葉や枯死のリスクも高まります。

外観の変化

大量のハダニが発生すると、彼らが出す糸によって、植物がクモの巣のような状態になります。これは特に草木や庭木の観賞価値を著しく低下させる原因となります。

果樹への影響

ハダニの被害は果樹にも及び、リンゴや梨などの落葉果樹では「葉焼け」の症状が見られるようになる一方、柑橘類では「葉肉崩壊症」という状態が生じることがあります。これにより、果物の見た目が悪くなるだけでなく、収穫量の低下も引き起こされることがある。

ハダニの種類

ハダニには細かく70種類以上が存在し、寄生する作物や植物によって種類が異なります。ハダニは主に葉の裏側に寄生し、そのための被害が顕著になる前には気づきにくいことが多い。

その他の寄生性ダニ

ハダニ以外にも、フシダニ類、ホコリダニ類、コナダニ類など、植物に寄生するダニが存在します。これらもまた、植物に被害をもたらす可能性がある。

ハダニによる被害は、植物の外観や生育に大きな影響を与え、農家をはじめとする多くの人々にとって深刻な問題となっています。

ハダニ予防法

ハダニは環境によって急速に繁殖し、多くの植物に被害をもたらしますが、いくつかの方法でその数を減少させることができます。以下に、ハダニの予防法について詳しく説明します。

圃場周辺の環境整備

  • ハダニの発生源となる雑草(スベリヒユ、クローバ、カラスノエンドウなどのマメ科植物)や樹木(チャ、サザンカなど)が存在する場合、これらを除去することが大切です。
  • 樹木には薬剤を散布し、ハダニの発生を予防します。

圃場内の残渣を処理

  • 前の作物の枯れた部分や落ち葉には、ハダニが潜んでいる可能性があります。
  • 栽培を開始する前に、これらの残渣を圃場から取り除くことで、ハダニの繁殖を防ぐことができます。

湿度の維持

  • ハダニは乾燥した環境で急激に増殖します。そのため、湿度を一定以上に保つことで、その繁殖を抑えることができます。
  • ハダニは水を嫌う性質があるため、圃場に散水することや、観葉植物の葉の表面を濡れた雑巾で拭く方法も効果的です。
  • ただし、湿度が高すぎると病気の発生リスクが増えるため、適切な湿度の管理が必要です。

農薬(殺虫剤)の使用

  • ハダニは被害が拡大する前に、初期の段階での防除が非常に重要です。
  • 葉裏や芽の先端部分に隠れているハダニを効果的に防除するためには、農薬を十分に散布する必要があります。
  • しかし、ハダニは薬剤に対する抵抗性を持ちやすいため、薬剤の系統を変えて使用することや、連続して同じ系統の薬剤を使わないよう注意が必要です。
  • 農薬の使用に関しては、地域の防除指導機関やJAの推奨する薬剤を選び、使用基準を守ることが大切です。

ハダニの予防は完全ではありませんが、これらの方法を組み合わせることで、被害を最小限に抑えることが可能となります。

ハダニが大量に発生した場合

薬剤散布をする

  • 使用する農薬の選び方: 「粘着くん液剤」「バロックフロアブル」「マラソン乳剤」「ケルセン乳剤」「でんぷんスプレー」などの中から、薬剤の強度、植物の種類、被害の状況、生育環境に合わせて選ぶ。
  • 散布の前に風通しをよくしておくこと、余分な葉を取り除くこと、整枝することが必要。
  • ハダニは薬剤に耐性がつきやすいため、異なる系統の薬をローテーションで使う。
薬剤散布の注意点

薬剤は成分が強いものがありますので、肌に直接触れないように、ゴム手袋や長袖・長ズボンを着用し、顔をマスクやゴーグルで保護しましょう。

葉水を行う

  • 毎日葉水をすることがおすすめ。ハダニだけでなく、他の害虫にも効果がある。
  • 葉の表裏をしっかり濡らすことが重要。

牛乳や木酢液を吹きかける

  • ハダニが窒息するため、牛乳を水で薄めて吹きかける。
  • 木酢液は土壌改善や植物の生育にもメリットがある。

鉢を水に浸す

  • 5〜15分ほど鉢を水に浸けると、ハダニの幼虫や卵が浮かぶ。
  • 根腐れを防ぐためには、風通しの良い場所で管理することが重要。

葉や茎を切り落とす

  • 初期症状や被害範囲が狭い場合に効果的。
  • 切り落とした後に新しい芽が出るので、心配は不要。

これらの方法を組み合わせることで、ハダニの被害を効果的に駆除することができます。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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