観葉植物の土づくりに最適!赤玉土の使い方と特徴をプロが徹底解説
観葉植物を育てるのに、「赤玉土って何?」と思ったことはありませんか?ホームセンターや園芸店でよく見かける赤玉土。でも、実際のところ、どう使うのがベストなのか、何が特徴なのか、よくわからない…という方も多いはず。この記事では、観葉植物のプロが赤玉土の基本から応用テクニックまでわかりやすく説明します。知ってるとちょっと得する情報も満載!赤玉土のこと、一緒にもっと知ってみませんか?
赤玉土とは?
赤玉土(あかだまつち)は、東京周辺の関東ローム層、具体的には火山灰が降り積もった赤土を原料としています。この赤土を乾燥させてふるいにかけることで、異なる粒の大きさの赤玉土として市場に出回ります。
赤玉土は、栽培時の土のベースとして利用される基本用土のひとつ。植物が成長するのに欠かせない要素として、通気性や排水性、保水性、保肥性に優れており、多くの野菜や果樹、花などの栽培に幅広く使用されています。一般的な野菜用の培養土としても、赤玉土を主成分としたものが多く、さまざまな土と組み合わせて利用されています。
赤玉土の特徴
赤玉土の原料は火山灰土であり、無機質なので、害虫や菌の繁殖が難しい環境を持っています。この特性により、赤玉土は清潔であり、育苗などにも使用可能です。
赤玉土のもう一つの大きな特徴は、そのpHの範囲にあります。土のpHは酸性かアルカリ性かを示す指標で、赤玉土はpH5.5〜6.5の弱酸性であるため、多くの植物、特に草花や観葉植物はpH調整なしでそのまま栽培することができます。しかしながら、野菜の栽培の場合、場合によってはpHの調整が必要になることもあります。
赤玉土の形状は粒状であり、その粒状構造が空気と水の通りを良くし、粘土質の性質が水分と肥料を保持します。さらに、赤玉土は鉄を豊富に含んでおり、これが赤玉土の特徴的な赤褐色の原因となっています。
最後に、赤玉土は粒の大きさによって大粒、中粒、小粒、細粒というように分けられており、それぞれ異なる用途や特性があります。例えば、大粒は鉢底石として使われ、中粒は背の高い樹木の植え込みに、小粒は一般的な植え込みや挿し木に、細粒は種まきや育苗に用いられることが多いです。
このような特徴から、赤玉土は植物の栽培において非常に重要な基本用土として扱われています。
赤玉土と鹿沼土の違い
赤玉土との比較をまとめました。
項目 | 赤玉土 | 鹿沼土 |
原産・原材料 | 東京周辺の関東ローム層由来 | 栃木県鹿沼市原産、多孔質の軽石を原料 |
酸性度 | 比較的中性に近い | pH5.0前後、強い酸性の傾向 |
用途 | 汎用性が高く、多くの植物の栽培に適用 | 酸性土を好む植物の栽培に特化 |
特性 | 通気性、排水性、保水性、保肥性に優れる | 通気性・排水性が特に優れ、保肥力は劣る |
鹿沼土の記事はこちら
赤玉土の注意点
- 粒の崩れやすさ:赤玉土の粒は崩れやすいため、使用しているうちに微塵が出ることがあります。
- 排水性の低下:上記の微塵の発生により、排水性が悪くなる可能性がある。
- 栄養の欠如:赤玉土自体には栄養がないため、植物を栽培する際には他の改良用土や肥料を混合して使用する必要がある。
- 硬質赤玉土の存在:より品質の高い「硬質赤玉土」も市場に存在する。これは焼き固めて硬度を高くした製品であり、崩れにくい特性を持つ。
自分で培養土を作る場合、赤玉土の排水性が低下することを考慮して、腐葉土などと混ぜて使うのが一般的です。
赤玉土の使い方
草花の培養土
赤玉土は草花のプランター栽培のための培養土として広く用いられます。一般的な配合としては、赤玉土小粒と腐葉土を6:4の割合で混ぜるのが良いとされています。さらに、排水性を重視する植物の場合、パーライトを1割混ぜることで最適な環境を提供することができます。
野菜の培養土
野菜をプランターで栽培する際の培養土としても赤玉土は重宝されます。実をつける野菜、例えばトマトやキュウリ、ナスなどは、赤玉土6部、腐葉土3部、バーミキュライト1部の割合で混ぜ、さらに10ℓの用土当たり苦土石灰10gと化成肥料10~30gを加えるのが一般的です。葉物の野菜や根物の野菜もそれぞれ特定の配合と肥料の追加が推奨されます。
観葉植物の培養土
観葉植物の場合、赤玉土小粒6部に腐葉土3部、そしてパーライト1部を混ぜることが基本的な配合となります。しかし、植物の性質や好みに応じて、赤玉土の量を調整することも可能です。
多肉植物・サボテンの培養土
多肉植物やサボテンの培養土として赤玉土を利用する場合、赤玉土小粒4部、鹿沼土小粒3部、腐葉土3部の配合が良いとされています。
挿し木用の土
挿し木とは、植物の枝や葉を切り取り、新しい株として育てる方法の一つです。この場合、非常にデリケートな状態の植物を扱うため、無菌で清潔な赤玉土のみを使って、発根を助けることが推奨されます。
ビオトープの用土
赤玉土には、水を弱酸性に調整する効果もあり、これにより水中での藻の繁殖が抑制されます。この性質を活かし、ビオトープの底砂として利用されたり、水草の栽培やメダカの飼育にも使用されます。
赤玉土自体は、大粒、中粒、小粒の3種類に分けられ、その粒の大きさに応じて様々な用途に適しています。大粒は鉢底石として、中粒はその均衡した保水力と排水性から多用途に、小粒はプランター栽培に特に適しています。