テントウムシダマシ被害の特徴と対策・予防法
こんにちは、ムギさん。今年も梅雨が明けました。梅雨時期には野菜の病気に頭を悩ませる方も多いでしょう。しかしながら、梅雨が明けてからは新たな問題、すなわち害虫の出現に気をつける必要があります。これらの害虫は野菜の葉や実を食べてしまうのです。今回は、そのような害虫の一つ、「テントウムシダマシ」についてお話ししましょう。
テントウムシダマシとは?
ナスやトマトを育てていると、葉がさざ波状に食べられている経験はないでしょうか。その原因はテントウムシダマシだと言えるでしょう。
テントウムシダマシは、草食でジャガイモ、ナス、トマトなどのナス科の植物を中心に発生します。
特に、葉の裏に卵や幼虫がついていたり、株の周りに成虫がいるので注意が必要です。
テントウムシダマシを見つけたら?
幼虫・卵
野菜の葉っぱの表裏をしっかり確認して、発見次第駆除しましょう。
成虫
成虫は少しの振動で落とせるので、植物をゆすってカップなどで受け止めるようにして捕殺しましょう。
手で触ろうとするとすぐに飛んで逃げられるので注意!
対処法
殺虫剤を使用してテントウムシダマシを駆除する場合、成虫や幼虫が発生し始めた初期のタイミングで薬剤を撒くことが重要です。具体的には、気温が暖かくなり始める5月頃から始め、その後約1週間おきに2、3回ほど散布します。
ただし、薬剤の使用には注意が必要です。必ず製品の説明やラベルを確認し、指定された用法と使用量を守りましょう。適切な使用法を守らないと、有害な影響を及ぼす可能性がありますので、十分注意してください。
テントウムシとの違い
テントウムシの仲間の多くは害虫を食べる肉食ですが、テントウムシダマシは草食です。
テントウムシのハネは明るい赤みでツヤがありますが、テントウムシダマシはくすんだ赤色でツヤがありません。
ナミテントウのハネの斑紋は大きく分けて、黒地に赤色の斑点が二個ある二紋型、四 個ある四紋型、12 個ある斑型および赤地に黒い斑点が 19 個ある紅型の四種類に分 けられることが知られています。これに対して、テントウムシダマシは斑点が28個あります。
これらのわかりやすい特徴から、テントウムシと見間違えることはないでしょう。
テントウムシダマシの生態
成虫は春から活動をはじめ、葉の裏に黄色く細長い卵をまとめて産みます。
卵が羽化し幼虫になると、たわしのようなとげが生えます。
幼虫から成虫の期間は、野菜の葉の裏から葉の中身をなめるように食べます。葉っぱの葉脈を残して、表面がさざ波状にすけて見える食べ後を残すのが特徴です。
たくさんのテントウムシダマシが集中して野菜の葉を食べてしまうので、光合成出来る葉が無くなり、収穫量が減ってしまう原因になりえます。
※被害が進行すると葉はボロボロになって枯れ、成虫は葉だけでなく果実も食べてしまいます。
発生しやすい環境
ジャガイモを育てている畑の近くでナス科やウリ科の野菜を育てていると、テントウムシダマシが発生しやすくなる傾向があります。テントウムシダマシの成虫は冬を、落ち葉の下などで越します。そして、春になるとまずジャガイモを食べ始め、その後で暖かさに応じて他の植物に移動します。
ナス科の植物は特にテントウムシダマシの被害を受けやすいですが、若い成虫はウリ科やマメ科の植物の葉も食べます。特にウリ科のキュウリやカボチャは葉が光合成を通じて実を大きく育てるため、テントウムシダマシの食害が大きな影響を及ぼすことがあります。
テントウムシダマシの種類によっては年に1から3回、おおむね4月から10月の間に発生します。これらのことを踏まえて、栽培計画を立てると良いでしょう。
予防と対策
・ジャガイモを栽培している場所の近くには、ウリ科やナス科の野菜を植えないようにする。
・防虫ネットをトンネルがけして、成虫が飛んでくるのを防ぐ。
・幼虫や卵は発見したら駆除する。
最後に
野菜を育てるうえで、害虫・益虫の知識は必要不可欠です。今後も、いろいろな虫について紹介していきます。