野菜の育て方

家庭菜園でキャベツを育てる方法:病気・害虫対策と詳しい育て方解説

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使い勝手の良い野菜のキャベツ。春と秋から育てることが出来るキャベツの栽培について詳しくご紹介します。

キャベツの基礎情報

キャベツについて、こちらを参考にしてみてください。
※品種により若干数値が変わりますので、あくまでご参考程度に。

栽培の難易度★3(中級者向け。一部の条件、特に温度や湿度に注意が必要です。)
科名アブラナ科
原産地地中海沿岸地域
草丈約40~60cm
適した栽培環境適度な湿度と冷涼な気温が必要です。乾燥と高温は避ける必要があります。
日当たり日当たりがよい場所での栽培が適しています。
土壌酸度pH 6.0~7.5(やや酸性から中性)
株間約50~60cm
畝幅約80~100cm
畝高約15~20cm
発芽適温約20~25℃
生育適温日中15~20℃、夜間10~15℃が理想的です。
種まき時期春キャベツは前年の10月頃、秋キャベツは6月頃が一般的です。
発芽日数約5~7日
苗植え付け時期春キャベツは前年の11月頃、秋キャベツは7月頃が一般的です。
収穫時期春キャベツは翌年の4 – 5月頃、秋キャベツは10 – 11月頃が一般的です。
コンパニオンプランツに
向いている野菜
トマト、セロリ、ディル、タイム、ミントなどが良いコンパニオンプランツとされています。

栽培のポイント

  • 発芽適温:キャベツの種が芽を出す最適な温度は20℃~25℃です。この温度帯を保つことで種まきから約1週間で元気な芽が出てきます。
  • 生育適温:キャベツは冷涼な気温を好む植物で、特に日中15℃~20℃、夜間10℃~15℃が理想的な生育温度です。高温になると成長が遅くなり、乾燥や高温は苦手なので注意しましょう。
  • 栽培期間:春キャベツは種を蒔いてから収穫まで約5~6ヶ月、秋キャベツは種を蒔いてから収穫まで約4~5ヶ月です。暑い夏を避けて、適した季節に植えると良い成長を見せます。

栽培手順

1.種まき

キャベツは、発芽から植え付けまで温度調整が重要なため、ポッドから種を育てるのがおすすめです。3粒の種を9cmサイズのポット(3号)に撒き、上から軽く土をかぶせ、しっかりと水を与えます。 春に種をまく場合は、保温資材を使って暖かく保ち、夏にまく場合は、遮光資材などを使用して暑さ対策を行いながら育てます。 種から成長して本葉が2枚出たら、他の余分な芽を取り除き1本だけ残します。その後、本葉が5〜6枚になるまで育てます。 128穴のセルトレイには、1穴に1粒の種をまきます。本葉が2枚出た段階で、大きなポットに移し替えます。もしくは、本葉が2〜3枚の時点で直接植え替える方法もあります。

2.畑の準備

土作りの際に、堆肥、石灰、元肥を混ぜ込みます。土の酸度(pH)は5.5〜6.5が理想的。5.0以下だと病気のリスクが高まるので、調整が必要です。キャベツは水はけの良い土を好むので、高畝作りをオススメします。土が肥沃であることと、初期の成長を促進させることがキャベツの良い結球のために重要です。カリや窒素を多く必要とするので、バランスのとれた肥料、例えば「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」を使うと良いです。

3.植え付け・管理

キャベツを植える最適な時期は、本葉が5〜6枚のときです。植える前には、水をたっぷり吸わせてから、日中の強い日差しを避けて夕方に畑に植えます。植えた後は、害虫を防ぐために防虫ネットや寒冷紗を使います。夏や秋に植えた場合、特に害虫に注意し、見つけたら取り除きます。植えた後の周りには、ヨトウムシの卵を食べるクモを呼ぶために、堆肥や腐葉土を敷きます。春や夏に植えたキャベツは、植えてから2週間後と結球する前に肥料を追加します。秋に植えた場合は、春に新しい葉が出る時と結球する前に肥料を追加します。そして、肥料を追加する時に、土をきれいに整えるために中耕と土寄せも行います。

4.収穫

キャベツの収穫のタイミングは、球が固く締まっているかどうかで判断します。手で押して固ければ収穫時、柔らかければもう少し待ちます。球の大きさよりも固さが大切で、小さくても固いものは収穫します。収穫は外葉を広げ、株元を切って行います。収穫を遅らせると味が落ちるので、タイミングを逃さないよう注意しましょう。

育てやすい品種

キャベツには、様々な品種が存在します。その中でオススメの品種を3つ紹介します。

アーリーボール

「アーリーボール」は成長が非常に早く、特に夏には植え付けから約60日で収穫できます。柔らかい葉を持ち、生食にも適しており、小さくて丸い形にしっかりと結球します。栽培も手軽で、頼りになる品種です。

彩里

「彩里」は、病気に対する強さと耐暑性が特長で、初心者にも向いています。早生で、深い緑色の外葉と中心部の鮮やかな黄色が特徴的なキャベツです。夏と秋の2回収穫が可能です。

札幌大球

「札幌大球」は、普通のキャベツより10倍大きいです。外葉は固く、漬物向き。寒さに強く、凍った中心部も美味しいため、札幌では保存食としても利用されています。この北の在来種は、文化的背景も持ち、多くの人々に愛されています。

キャベツ栽培で注意すべき病気

キャベツの病気は芽吹いた時点から始まり、一度発症すると次の年も同様の病気に罹る可能性があります。主な病気とその対策は以下の通りです。

幼苗期に発生する病気

    「黒すす病」「苗立枯れ病」「ピシウム腐敗病」など、カビによる病気が主です。これらは根や茎の機能を停止させます。

    葉に発生する病気

    「べと病」「黒腐病」「マグネシウム欠乏病」「カルシウム欠乏病」「灰色カビ病」「黒斑細菌病」「黒斑病」「黒すす病」など、多種多様な病気が発生する可能性があります。

    代表的な病気

    「黒すす病」は、すす病菌というカビの一種により、幼苗全体に黒や褐色のシミが広がり、最終的には腐ってしまいます。また、「苗立枯れ病」は糸状菌というカビにより、幼苗の根に近い茎が細くなり、水が溜まるように見え、最終的には腐ります。

    これらの病気はほとんどがカビ菌から発生するため、土壌の湿度を適切に保つことが予防策の鍵となります。適切な土作りにより、これらの病気のリスクを最小限に抑えることが可能です。

    キャベツ栽培で注意すべき害虫

    キャベツ栽培において害虫は大きな問題であり、その管理が成長と収穫への鍵となります。以下に、キャベツの主な害虫とその対策について解説します。

    モンシロチョウ(アオムシ)

    モンシロチョウの幼虫であるアオムシはキャベツを食べることで有名です。これはアブラナ科の野菜が持つ、他の生物にとって毒性のある辛み成分に抵抗性を持つためです。

    ヨトウムシ

    ハスモンヨトウやヨトウガなどが含まれるヨトウムシは、夜行性の害虫で、幼虫が集団でキャベツの葉脈を食べ尽くします。これにより早急な駆除が必要となります。

    コナガ

    コナガの幼虫は、葉の裏から食害し、葉を透明にして穴を開けることで被害をもたらします。

    アブラムシ

    アブラムシは小さいですが、繁殖力が高く、葉の裏から吸汁してキャベツを弱らせます。また、アブラムシは病気の媒介者となりうるため、付着すると病気の原因となることもあります。

    オオタバコガ

    オオタバコガの幼虫は、新芽の内部に侵入し、内部から食害を起こします。これにより、野菜に大きな被害をもたらす可能性があります。

    アザミウマ

    アザミウマの幼虫も成虫も葉や果実を吸汁します。多くの植物に発生するため、雑草が多い場所では特に注意が必要です。

    ナメクジ

    ナメクジは新芽や株の柔らかい部分を好んで食べます。特に苗が幼い時期の被害は、株の成長を止めてしまう可能性があります。

    最後に

    病気や害虫に脅かされる機会も多いキャベツですが、最後まで育て切れば実が詰まった大きなキャベツを収穫することが出来ます。ぜひ挑戦してみてくださいね。

    ABOUT ME
    ムギ
    ムギ
    兼業農業ビジネスマン
    実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
    野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
    野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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