野菜の育て方

家庭菜園での春菊栽培方法: 病気・害虫の予防・防除対策と解説ガイド

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こんにちは、皆様。春菊の独特の香りとほのかな苦味で、冬の鍋料理には欠かせない存在となっていますよね。また、鮮やかな黄色い花を咲かせることから、ヨーロッパでは観賞用としても重宝されてきました。家庭菜園初心者の方にも手軽に楽しめる春菊の栽培。しかし、どのように育てればよいのか、病気や害虫の対策は?この記事では、春菊栽培の基本情報から、実践的な育て方のコツ、さらには病気・害虫の予防・防除対策についても詳しく解説していきます。

春菊(シュンギク)の基礎情報

春菊とは?

春菊、またはシュンギクはキク科シュンギク属に分類される葉物野菜で、日本をはじめとする東アジアの国々で食用として人気があります。一方、原産地であるヨーロッパでは、主に観賞用として栽培されており、マーガレットに似た美しい花を咲かせます。

この野菜にはカルシウム、リン、鉄、カリウム、ビタミンC、B1、B2などの栄養素が豊富に含まれており、特にビタミンAの効果を持つカロテンの含有量がホウレンソウやコマツナを上回ることで知られています。さらに食物繊維もたっぷりと含まれています。その独特の香りと歯触りから、鍋物や和え物、おひたしといった料理によく用いられます。

品種によっては、葉の形状や大きさが異なるため、大葉種・中葉種・小葉種の三つに大別されます。特に、中葉種は日本国内で最も栽培されている種類で、関西地方では大葉種が、関東地方では中葉種が好まれる傾向にあります。シュンギクの葉は摘み取り収穫が可能で、一度植えると長期間にわたり収穫を楽しむことができるので、家庭菜園にも適しています。また、名前については、地域によって「春菊」や「菊菜」と呼ばれることもあります。

シュンギクは日本のハーブとも称されるほどのさわやかな香りを持ち、鍋物やすき焼きに加えることで、その風味が深まります。また、キク科の植物としては珍しく、害虫がつきにくい性質を持っています。原産地である地中海沿岸の冷涼な気候を好み、日本や中国、東南アジア、インドなどの地域で広く栽培されています。

春菊の情報一覧

春菊(シュンギク)について、こちらを参考にしてみてください。
※品種により若干数値が変わりますので、あくまでご参考程度に。

栽培の難易度★3(中級者向け。害虫や病気に注意が必要)
科名キク科
原産地中国
草丈約20cm~40cm
連作障害あり。(2年の期間は同じ土地での栽培は控えると良い)
適した栽培環境日当たりの良い、水はけの良い場所。
日当たり日当たりの良い場所が望ましい。
土壌酸度pH 6.5~7.5(やや酸性から中性)
株間約20cm~25cm
畝幅約30cm~40cm
畝高約10cm~15cm
発芽適温15°C~20°C
生育適温15°C~22°C
種まき時期夏の終わりから初秋(8月 – 10月)。
発芽日数5日~10日
苗植え付け時期種まきから約3週間後。
収穫時期種まきから45日~60日後。
コンパニオンプランツに
向いている野菜
白菜、ブロッコリー、カリフラワー。春菊はキク科の野菜との相性が良く、共存すると互いの生育をサポートします。

栽培のポイント

  • 発芽適温:春菊の種が発芽する最適な温度は15℃~20℃です。この温度範囲を保つことで、種まきから約5~10日で元気な芽が出てきます。
  • 生育適温:春菊は涼しい気温を好む植物であり、15℃~22℃が最も理想的な生育温度となります。高温になると葉が硬くなることがあり、また春菊特有の香りが強くなることがあるため、猛暑期は特に注意が必要です。また、春菊は湿度が高いと病気になりやすいので、湿度管理や風通しの良い場所での栽培を心掛けることが重要です。
  • 栽培期間:種を蒔いてから収穫までの期間は、秋の場合が主で約45日~60日となります。涼しい気温を好む春菊は、秋に栽培が最も適しており、この時期に収穫のピークを迎えることができます。

栽培手順

1.土作り

春菊の土作りは栽培の場所や方法によって異なるステップを踏むことが要求されます。以下では、それぞれの方法に基づく土作りの手順をご紹介します。

鉢・プランター栽培

春菊を鉢やプランターで育てる場合、10号以上の鉢や60cmのプランターが適しています。鉢の底には石を3cm敷き詰め、その上に市販の野菜用培養土や、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを混ぜた用土を入れます。土を十分に湿らせた後、10~15cm幅のまき溝を作り、そこに種を筋まきします。発芽までの期間は土が乾かないように注意し、芽が出たら適切な間隔で株を残すように間引きします。

地植え

地植えの場合、まず日当たりのよい場所を選びます。その後、種をまく4週間前には土を耕し、苦土石灰を混ぜ込みます。さらに2週間前には堆肥、油粕、化成肥料を加え、畝を立てます。種をまく際は、適切な深さのまき溝を作り、土が乾燥しないようにこまめに水をやります。春菊は酸性の土を嫌うので、土のpHは6.0〜6.5に保つことが理想的です。

ポイント

春菊は連作障害が起こりやすいため、同じ場所での栽培は1〜2年間隔をあけるとよいでしょう。特筆すべきは、春菊が持つキク科特有の香りはアブラナ科の害虫を防ぐ効果があるので、他の作物と組み合わせて栽培する際のコンパニオンプランツとしてもおすすめです。

成功する野菜作りの基盤:土づくりの全てを解説

2.種まきや育苗

白菜は年に2回、2月と8月に種まきが可能です。下記は白菜の種まきから育苗までの手順です。

鉢・プランター栽培

標準サイズのプランターを用意し、底に鉢底ネットと鉢底石を置き、その上に野菜用の培養土を追加します。10〜15cmの間隔で2本のまき溝を作成し、1〜2cmの深さで種を播きます。播き終わったら、適量の水を与えて、乾燥を防ぐように注意します。

地植え

土作りを終えた畝に、20cmの間隔で種を播く溝を作成します。この溝は畝の幅と平行に1〜2cmの深さで作ります。種は約1cm間隔で播き、かぶせる土は薄くし、その後たっぷりと水を与えます。水やりは、はす口をつけたジョウロを使って、種が流れ出ないようにやわらかな水流で行います。

種まきの時期

春菊の種まきは、3月中旬〜4月中旬と9月上旬〜10月中旬が最適です。春菊は冷涼な環境を好むので、高温の30℃以上では生育が鈍ることが知られています。そのため、栽培初心者には特に秋の種まきが推奨されます。

3.管理(追肥・土寄せ・水やり・摘み取り)

春菊は管理がしっかりしていると、豊かに育ちます。特に間引き、追肥、水やりは重要な管理手法となります。以下にそれぞれの手法について説明します。

プランター栽培の間引き

  • 1回目: 本葉が1〜2枚の時、株間を3〜4cmに調整。
  • 2回目: 本葉が3〜4枚の時、株間を5〜6cmに調整。
  • 3回目: 本葉が6〜7枚の時、株間を10〜15cmに調整。

地植えの間引き

  • 1回目: 本葉が1〜2枚の時、株間を約3cmに調整。
  • 2回目: 本葉が4〜5枚の時、株間を10cmに調整。

間引きする際は、弱々しい苗や傷んだ葉の苗を優先的に取り除き、株の根を傷つけないように注意します。

プランター栽培の追肥(肥料)

  • 2回目の間引き後: 緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g散布。
  • 3回目の間引き後: 2回目の間引き時と同量の追肥を施す。

地植えの追肥(肥料)

  • 2回目の間引き後: 1㎡あたり緩効性化成肥料(N-P-K=8-8-8)を30g目安で散布。

水やり

春菊は乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりの水を与えることが必要です。

  • 全般: 土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、涼しい時間帯に行うのが最適。
  • プランター栽培: 表土が乾いたらたっぷりと水やりをし、特に乾燥に注意。
  • 地植え・畑栽培: 基本的に特別な水やりは不要。ただし、3〜4日雨が降らない場合は水を与える。

いずれの方法でも、水やり後には土の中までしっかり濡れているかの確認が重要です。

以上が春菊の栽培における基本的な管理手法です。これらの手法を適切に実施することで、健康で美味しい春菊を収穫することができます。

4.収穫

春菊は、その独特の風味と栄養価から多くの料理で愛される野菜です。適切な収穫方法とタイミングを理解することで、最高の状態で収穫することができます。

まず、春菊の収穫は大きく「抜き取り収穫」と「摘み取り収穫」の2種類に分けられます。抜き取り収穫は、草丈が20cmほどに成長した春菊を株ごと抜き取る方法で、節間が成長せず株元から多くの側枝が出てくる品種、特に株張り型の品種に適しています。株張り型の品種の場合、ハサミで根元から刈り取るか、引き抜いて収穫するのが一般的で、引き抜いた後は根をその場でカットすると良いでしょう。

一方、摘み取り収穫は茎の途中を切り取る方法で、わき芽が出てくることで長く収穫し続けることが可能です。具体的には、草丈が20cm程度になった際、下の葉を4〜5枚残して先端部分を摘むことで、主枝の生長を止めると、新たなわき芽が次々と出てきます。そして、この新しいわき芽を摘んで収穫します。特に家庭菜園での栽培には、この摘み取り収穫が推奨されます。

春菊の適切な収穫期は、種まきから30〜50日後、草丈が15〜20cmのときです。収穫の適期として、春に種をまいた春菊は6月頃、秋に種をまいたものは10月から12月上旬が最適です。重要なのは、春菊がトウ立ち、つまり花が立つ前に収穫すること。トウ立ちすると固くなり、食感や味が損なわれる可能性があります。

最後に、収穫の際のツールとしては、ハサミが最適です。特に茎が細い春菊は、その柔らかさが料理にも適していますので、早めの収穫を心掛けると良いでしょう。

以上が春菊の収穫に関する基本的な情報です。春菊の美味しさや栄養を最大限に享受するためにも、適切な収穫方法とタイミングを守ってください。

春菊の種はどこで買えるの?

春菊の種を手に入れたい場合、まずは近くの園芸店やホームセンターを訪れると良いでしょう。これらの店舗では、多くの野菜の種が取り扱われており、春菊の種も一般的に置いてあります。また、地域の農協、通称JA(日本農業協同組合)でも、農家向けの種が購入できることがあります。品種のバリエーションが豊富に取り揃えられていることが特徴です。オンラインショッピングを利用することも考えられます。Amazonや楽天などの大手ショッピングサイトでは、さまざまな品種や産地の春菊の種が取り扱われています。加えて、専門的な種苗店なども存在し、特定の品種や有機栽培用の種など、特色のある品揃えを提供している場合があります。どこで購入するにしても、品種や耐病性、栽培の適期などをしっかり確認し、自分の栽培環境や目的に合わせて選ぶことが大切です。

春菊栽培で注意すべき病気

春菊は多くの病気に対して脆弱であり、適切な管理と予防策が不可欠です。以下、春菊栽培時に注意すべき主要な病気とその対策について紹介します。

菌核病

  • 症状:外葉の地面に接する部分から褐色に軟化腐敗し、白いカビが発生。このカビは次第に黒い塊(菌核)に変わる。
  • 対策:「軟腐病」との区別が必要。軟腐病には独特の悪臭がある。

軟腐病

  • 症状:組織が水浸状になり、軟化して独特の悪臭を放つ。
  • 対策:スターナ水和剤の散布。罹病株の処分後、次回の作付けで予防的な防除を実施。

根こぶ病

  • 症状:茎葉がしおれ、根に大小のこぶが形成される。
  • 対策:土壌pHを7.2以上に調整。石灰窒素の施用が有効。

白斑病

  • 症状:葉に灰白色の病斑が発生。
  • 対策:早期発見と除去が鍵。

べと病

  • 特徴: 葉に淡黄色から黄褐色の病斑が現れ、カビが生じる。
  • 防除方法: 密植や過湿を避け、土壌からの感染対策として敷きワラやビニールマルチの利用。

モザイク病、えそモザイク病

  • 症状:葉脈が透ける、葉の縁にモザイク状の濃淡が現れる。成長が遅れたり結球不良が発生することも。
  • 対策:アブラムシの発生を防ぐ。育苗時に寒冷紗やシルバーマルチを使用。周辺の除草と早期のアブラムシ防除が必要。

白さび病

  • 症状:葉裏や茎に乳白色の小斑点が発生し、粉状の胞子が飛散。
  • 対策:発病前の殺菌剤散布。発病後は病葉や株の除去。

病気の発生を未然に防ぐためには、定期的な観察と早期の対応が必要です。特に湿度や水分管理は春菊の病気発生に大きく関わるため、注意が必要です。

春菊栽培で注意すべき害虫

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春菊はおいしい野菜として知られていますが、多くの害虫が春菊を好むため、栽培には注意が必要です。以下は、春菊の主要な害虫とその特徴、対策を簡単に紹介します。

アブラムシ

  • 特徴: 小さな虫が集団で生息。
  • 食害: 吸汁し、モザイク病のウイルスを媒介。
  • 対策: 播種時からの綿密な防除策。

アオムシ(モンシロチョウ)

  • 特徴: 緑色の細かい毛が生えた小さなイモムシ。
  • 食害: 葉を食べる。
  • 対策: 育苗中からの葉の裏や付け根をこまめにチェックして葉ごと除去。

カブラハバチ

  • 特徴: 黒藍色のイモムシ状の幼虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: 早期発見し葉ごと除去。

ヨトウムシ(夜盗虫)

  • 特徴: イモムシ状の幼虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: ヨトウガやシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウを特にチェック。

ナメクジ

  • 特徴: 新芽や若葉を舐めるように食害。
  • 食害: 大きく育った株は食害しないが、結球した葉と葉の間に潜む。
  • 対策: 葉と葉の間のチェックと早期の除去。

ダイコンハムシ(ダイコンサルハムシ)

  • 特徴: 黒色の幼虫や丸い形の成虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: 育苗中からのこまめなチェック。

ハイマダラノメイガ(芯食い虫)

  • 特徴: イモムシ状の幼虫。体長2cm、淡褐色で5本の縦筋、頭部が黒い。
  • 食害: 芯葉に潜り、食害。葉同士を綴り合わせて食べる。
  • 対策: 早めの発見と葉の除去。

キスジノミハムシ

  • 特徴: 成虫は体長3mm程度の甲虫。
  • 食害: 成虫は葉、幼虫は根を食害。
  • 対策: 土壌の健康管理と早期の除去。

コナガ

  • 特徴: 体長10mmほどの淡緑色の幼虫。
  • 食害: 葉を食害。
  • 対策: アオムシとの見分けをつけ、早期に除去。

春菊栽培の際にはこれらの害虫をしっかりと管理し、健康な春菊を収穫するための工夫が求められます。特に、害虫のつきにくい土壌の作成や、早期の発見と対策が鍵となります。大量発生した場合は、適切な農薬の使用も検討しましょう。

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ムギ
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兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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