西条柿の魅力を紹介!発祥の地、収穫時期の特徴からおすすめの食べ方まで
西条柿をご存知でしょうか?これは東広島が発祥の地とされる特別な渋柿です。中国地方でしか生産されない、この希少で繊細な柿の特徴や収穫時期、そしておすすめの食べ方を紹介します。
西条柿(さいじょうがき)とは?
西条柿は、広島県に起源を持つ渋柿の一種で、特徴的な縦長の形をしており、その表面には4本の溝が入っています。渋が抜けると、甘くとろけるような食感を楽しむことができます。また、その味は全国の食味コンテストで大賞に輝くなど高く評価されていますが、流通の困難さから、多くの人には知られていない希少な柿とされています。収穫時期は10月上旬から11月中旬頃までで、生の最も美味しい時期は10月中旬から11月上旬頃。さらに、干し柿としての出荷は10月下旬から12月末頃に行われます。
西条柿の発祥
西条柿の発祥は広島県の東広島市、特に西条町とされています。町内の長福寺で、西条柿に関する資料が発見されており、これがその説の根拠となっています。16世紀の戦国時代には、干し柿として保存食として珍重されるようになりました。一方で、愛知県の西条市が西条柿の名前の由来である可能性も指摘されていますが、広島県の東広島市が発祥の地として最も有力視されています。
西条柿の見た目
西条柿は、他の柿とは異なり縦長の形状をしており、その特徴的な見た目には4本の溝が入っています。この独特の形状のため、干し柿を作る際には機械ではなく、各果実を手作業で皮をむく必要があります。
西条柿の糖度
西条柿は、一般的な柿の平均糖度が16度であるのに対し、18度程度の甘さを持っています。特に1年間管理した柿壺の西条柿は、糖度が平均20度を超えることもあります。渋柿である西条柿は、渋みを取り除くことでさらに甘みが増し、その糖度は18~20度にも達します。この高い糖度のおかげで、とろけるような食感と深い甘さを楽しむことができます。
「づくし柿」は、西条柿を木の上で完全に熟せてから収穫する特別な柿です。通常、果物は未熟なうちに収穫され、流通中に完熟することが多いですが、づくし柿はその常識を覆しています。そのため、完熟した状態での保存期間が短く、産地の外にはほとんど出回らない、まるで幻のフルーツのような存在です。
普通は「熟し柿」と言いますが、岡山県津山周辺ではこれが訛り、「づくし柿」と呼ばれています。
西条柿を収穫・購入するときのポイント
西条柿の選び方や食べ頃の見極めは、一見複雑に思えるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえることで、美味しい西条柿を選ぶことができます。食べ頃の西条柿は、果皮に張りとツヤがあり、全体的に良い色づきをしています。手に取ったときの重みも感じられるものが理想的です。色に関しては、成熟する過程で緑色から黄色、さらに橙色へと変化します。黄緑色が混ざっているものや、形がいびつで果皮に傷や汚れがあるものも、甘みには影響せず美味しくいただけます。ただし、西条柿は日持ちがしにくいため、早めに食べることをおすすめします。
西条柿の保存方法
西条柿の保存方法は、その熟度に応じて異なります。まだ固い未熟な柿は、ポリ袋に入れて風通しの良い場所で常温で保存するのが最適です。一方、食べ頃になった柿は、早めに冷蔵庫の野菜室に保管することがおすすめです。そして、完熟してしまった柿や熟しすぎている柿は、冷凍庫での保存が適しています。なぜなら、完熟の西条柿はちょっとした衝撃でヒビが入り果汁が溢れてしまいます。そういった状態のものは日持ちもしませんので冷凍保存が推奨されます。
西条柿の食べ方
西条柿の美味しい食べ方は多岐にわたります。
まず、渋抜きした西条柿は、特定の手順に従って皮をむき、そのまま楽しむのが一般的です。この際、柿の特徴的な溝にそって十文字に切ると、皮むきが容易になります。市販されている渋抜き済みのものもありますが、自ら渋抜きをする際は、ドライアイスや炭酸ガス、アルコールなどの方法があります。
次に、西条柿を完熟させて食べると、その甘さが増し、ゼリーのような食感に変わります。焼酎を穴に染み込ませて数日置くことで、熟成させることができます。
また、干し柿としても楽しむことができます。渋みを干すことで取り除き、甘味をより濃縮させる方法です。さらに、日持ちも向上します。鍋で短時間ゆでた後、良い風通しの場所で干して完成となります。
最後に、完熟した柿を冷凍し、シャーベットとして味わうのも一つの方法です。水で洗ってから熱湯で表面を加熱し、冷凍することで、冷たいシャーベット感覚で楽しむことができます。
最後に
今回は、実家で栽培している西条柿について紹介しました。子供の頃から、「西条柿」とは呼ばず「づくし」と呼ぶことが多かったのを思い出します。調べてみると津山の訛りだったんですね、勉強になりました。