植物の知識

ブルームとは?果物や野菜の白い粉の驚きの正体を徹底解説!

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keisukeduo

植物には数多くの不思議が詰まっています。その中でも、野菜や果物の表面に見られる白い粉は興味深い現象の一つ。これを「ブルーム」と呼びます。このブルームを見た際、実際に食べても安全なのか疑問に思う方も多いかと思います。そこで今回は、ブルームの正体や特性について紹介します。この記事を通じて、ブルームに関する知識を深め、野菜や果物を安心して食べていただければ幸いです。

ブルームとは?

ブルーム、または「果粉」とは、果物や野菜の果皮表面に見られる白い粉状の物質を指します。この物質は蝋のような性質を持ち、熟した新鮮な果実に特によく現れます。

ブルームの役割

ブルームは果実の水分蒸発を防ぐ重要な役割を果たしており、その存在によって果実は乾燥や外部からの病気などの影響を受けにくくなります。さらに、ブルームの存在やつき具合は果実の鮮度を示す指標ともなります。というのも、果粉は軽い接触で容易に落ちてしまう性質があるため、その付着状態を確認することで果実の新鮮さを判断することができるのです。

ブルームが果実に付着するメカニズム

果実の表面は「クチクラ」と呼ばれる透明な膜で被覆されています。このクチクラは、脂肪酸類「クチン」の重合体が主成分で、この中には蝋が詰まっています。この蝋がクチクラの表面に棒状に押し出されることで、我々が目にする「ブルーム」という白い粉状の物質が形成されるのです。この蝋自体は、パラフィン、アルコール、飽和脂肪酸などから構成されています。

ブルームが発生する野菜・果物

ブルームが発生する野菜

キュウリトマトナス、パプリカ、ピーマン、ジャガイモ、オクラ、ズッキーニ、カボチャ、ゴーヤ

ブルームが発生する果物

リンゴ、ブドウ、プラム、スモモ、サクランボ、ブルーベリー、、キウイ、梨、桃

※品種によって、ブルームが発生しないものも存在します。

ブルームが付いた食材はそのまま食べても大丈夫?

前述の通り、ブルームは天然の蝋状物質です。これは果実や野菜が自然に分泌するもので、人体に無害です。したがって、ブルームが付いた食材を食べても健康上の問題はありません。

ブルームが危険?農薬の間違われた歴史

過去、ブルームが農薬や化学物質と誤解されることがあったかもしれません。しかし、ブルームは天然の物質であり、農薬や化学物質とは異なります。適切な知識を持つことで、ブルームの正体とそれが人体に無害であることを理解することができます。

しかしながら、上記の誤った情報により、ブルーム付きの食材に悪いイメージを持つ方もいるそうです。この問題の解決策なのかは不明ですが、ブルームが発生しない「ブルームレス」の食材の品種改良が進み、市場に提供されています。

ブルームレスの野菜・果物

スーパーで売られているキュウリの多くは、ブルームが発生しないように品種改良されたものです。これらのものを「ブルームレス」と呼びます。ブルームレスの特徴とメリットは次の通りです。

ブルームレスとは?

「ブルームレス」とは、果実や野菜の表面にブルーム(白い粉のようなもの)が発生しない、またはその発生が非常に少ない特性を持ったものを指します。この特性は、遺伝子改変や特定の品種改良によってもたらされることがあります。

ブルームレスのメリット

1.外見の美しさ

ブルームが無いため、果実や野菜の色や質感がより鮮明で綺麗に見える。

2.手触りの滑らかさ

ブルームが表面にないため、滑らかな手触りとなり、消費者に好まれることがある。

3.加工の容易さ

特に加工業者にとって、ブルームがないというのは、表面処理や洗浄などの際に手間が省けるというメリットがある。スイカなどは、わざわざブルームを拭き取って売り場に並ぶこともあります。

ブルームレスのキュウリは食感が良い!

ブルームレスのキュウリは、ブルームがないため水分を保持し、皮が厚く歯ごたえがあります。そのため、生でのサラダなどの料理に特に適しています。このタイプのキュウリは、専用に育種されたカボチャを台木として接ぎ木することで生産されます。

チョコレートのブルーム現象とは?

果実と同様に、チョコレートにも白くなる「ブルーム」という現象があります。これは大きく2つに分類され、「ファットブルーム」「シュガーブルーム」と呼ばれます。

ファットブルームとは?

「ファットブルーム」の場合、白く見えるものはチョコレートに含まれる油分、特にココアバターが結晶化して表面に浮き出てくることで見られる白い膜や斑点です。

シュガーブルームとは?

「シュガーブルーム」の場合、白く見えるのは砂糖が結晶化し、チョコレートの表面に白い結晶として現れることによります。これは、チョコレートが湿度の高い場所で保存されたり、温度変化が激しい場所で保管された場合によく起こります。

どちらも、カビが発生しているわけではないので、そのまま食べても大丈夫です。

最後に

子供の頃から、ブルームが付いたブドウを平気で食べていたので、安全なことは何となく知っていたのですが、改めて調べてみると植物の不思議な特性を理解することが出来ました。みなさんも、スーパーに並ぶ野菜や果物を見る際は、ブルームから鮮度の良さを確かめてみてはいかがでしょうか。

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ムギ
ムギ
兼業農業ビジネスマン
実家の畑を使って兼業農家を始めた30代の会社員です。
野菜の育て方や、週1の農作業についての投稿をしています。
野菜を作る楽しみを届けられるように頑張ります。
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